衆院予算委員会で自民党議員が質問に立ち、与野党の本格論戦が始まった。財政を立て直す必要性では一致したが、自民党は政策協議の前提として来年度予算案の修正を求めた。民主党はまず自らの責任で重点公約の見直しを急ぐべきだ。
自民党の石原伸晃幹事長は、小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反罪で強制起訴されたことに触れ、「民主党の責任感、自浄力の無さを端的に示している。証人喚問へ菅直人首相がリーダーシップを発揮してはどうか」と迫った。
首相は「国会での説明は必要だ。与野党で実現するよう努力すべきだ」と述べるにとどめた。小沢元代表の国会招致は与野党対立の火種になっている。国会での説明責任に背を向ける小沢元代表をかばう対応は、もはや許されない。
質疑では米格付け会社による日本国債格下げなどを踏まえ、財政再建をめぐる論争が目立った。石原氏は来年度予算案について「経済波及効果の薄いバラマキ政策をオンパレードしてもデフレからの回復には全く寄与しない。その最たるものが子ども手当だ」と指摘した。
首相は「子ども手当は少子高齢化に対応する重要政策で経済的にもある程度の効果がある」と反論し、予算修正に慎重な考えを示した。
続いて質問した自民党の石破茂政調会長は、民主党が掲げる社会保障と税の一体改革について「協議を呼びかけるには民主党の議論をまとめるのが当然だ」と強調した。
政府・与党は6月に社会保障と税の一体改革案をまとめる方針だ。野党と協議するため、与党案のとりまとめを急ぐべきではないか。
自民党は民主党が2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた重点政策の財源16.8兆円のうち、現時点で3兆円強しか確保のメドが立っていない点も突いた。その指摘は当たっている。
首相は「衆院議員の任期の折り返し地点が9月に来る。その段階で検証する」と述べたが、財源からも重点公約を持続するのは無理だ。
自民党は子ども手当、高速道路無料化、高校の実質無償化、農業の戸別所得補償制度の頭文字をとり「4K」としてやり玉にあげている。財源の規模と政策効果について改めて検証し、対象の絞り込みや制度の見直しを進めるべきだ。
与野党の主要政策をめぐる対立軸はなお不明確な部分も多い。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加や農業改革などに関して、論戦を通じ議論を深めていく必要がある。
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