名節のたびに渋滞する高速道路、解消方法は?(下)
制限速度に柔軟性を持たせるだけで渋滞解消
人間に対してこのような期待をすることはできないが、すべての車が無人で自動的に動くようになれば、これは可能になるはずだ。キム教授は「自動運転は人間による運転とは異なり、個々の過剰対応を減らすことができるため、渋滞を大幅に減らすことができる」と予想している。例えば、信号のある交差点で左折(日本のような左側通行では右折)する場合を考えてみよう。
人間が運転する場合、先頭の車がスタートしても、後続車が動き出すまでにはかなりの時間差が生じる。しかし、無人自動車の場合、信号が変わった瞬間から電車が動くように一斉に動き出すため、交差点での渋滞がはるかに減る。無線通信技術によって前の車と信号の流れをあらかじめ感知し、動き出す時間差を減らすことができるからだ。
残念ながら、無人自動車はまだ道路で走行できるほどの安全性を備えていない。歩行者が飛び出してきた場合など、あらゆる突発的な状況に対応しきれないからだ。そのため、無人と有人を兼ね備えた運転方式についての研究も進められている。欧州連合(EU)が支援し、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ社が最近開発に成功した「自動車トレイン」がその代表的なケースだ。これは車列の先頭を走る5台から15台ほどの無人運転車が、一定の間隔で並んで走行するというものだ。ただし先導車の運転は、道路を知り尽くしたベテランドライバーが務める。先導車の運行情報(速度、ハンドリング、ブレーキ操作など)が無線インターネットを通じて後方に伝えられるため、後続車は一斉に動き出すことができる。
渋滞を減らすもう一つの解消方法は、状況に応じて制限速度を随時変更することだ。これはある地点で渋滞が発生した場合、その後方を走行する自動車の速度を遅くするというもの。この方法によって、前方で発生した渋滞が解消されるまで後方に続く車の流れを調節し、渋滞が長引くのをあらかじめ予防することができる。
李吉星(イ・ギルソン)記者