ライフ【主張】公教育の現状 これでは子供が育たない2011.2.2 02:24

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【主張】
公教育の現状 これでは子供が育たない

2011.2.2 02:24

 先月下旬の日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)で、問題授業の一端が明らかになった。

 佐賀市の小学校教師は、児童の考えを変えたことを誇らしげに報告した。将来の夢を「自衛隊に入り日本を守る」としていた児童が、授業の後には「自衛隊を含め一切の武力を放棄すべきだ」という意見になったという。

 沖縄県の中学教師は、自衛隊の国際貢献を否定的に考えさせようとしたところ、生徒から「他国の人々を助ける」などプラス評価が出たことを嘆いた。

 教科書などの記述が政府寄りの考えばかりだとし、「もっと反論できる資料を持ち込まないと」という。教師の政治的主張を一方的に押しつける授業がまかり通っている。子供がかわいそうだ。

 領土問題も分かっていない。北海道の中学教師は、北方領土について教えているうち「どこの国の領土か分からなくなった」という。歴史的経緯もきちんと理解できていないようだ。日本固有の領土であることを教えられないようでは一体、どこの国の教師か。

 「平和教育」などの分科会では、日本を悪者とする一面的歴史観や「戦争は怖い」と強調する授業の報告が相変わらず目立つ。千葉県の小学校では「『桃太郎』で退治される鬼の立場になって考えてみよう」と戦争を考えさせたというが、世界史や国際情勢を無視した自己満足でしかない。そもそも桃太郎は、勇気や正義を教える昔話だろう。

 先人がいかに苦労して国を守ってきたか、そこを理解していない。それどころか新しい学習指導要領で重視される国や郷土を愛する心の育成、道徳教育充実を、「強制」などと否定する報告も変わらず少なくない。

 日教組の組織率は低下が続き、26・6%(昨年10月)だ。しかし地域によっては高く、旧来体質から抜けきれない教師の影響が強い。新指導要領を骨抜きにした勝手な授業が行われないよう注視すべきだ。

 民主党の支持団体である日教組は、教職員の増員や待遇改善に熱心な一方、教員免許更新制には反対で、教育改革の後退が懸念される。免許更新などで教師が不断に努力し、独りよがりの偏向した授業をなくすことこそ、公教育の信頼回復につながる。

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