パナソニックは1日、自動車用ニッケル水素電池事業を中国の電池メーカー「湖南科力遠新能源」(湖南省)に売却すると発表した。特許を含む知的財産権を使うこともできる契約で、湖南科力遠は神奈川県茅ケ崎市の工場運営に乗り出す。パナソニックは三洋電機の子会社化にあたり、中国の独禁法当局から同事業の売却を求められていた。売却先が中国企業になったことで、エコカーの心臓部でも中国企業の存在感が増すことになる。
売却するのはパナソニックの湘南工場で生産している車載用のニッケル水素電池事業。受け皿会社に移管したうえで、4月末までに全株式を湖南科力遠に4千万元(約5億円)で売却する。約100人の従業員がパナソニックから出向する形で事業を継続する。
湘南工場は1997年にトヨタ自動車のハイブリッド車、初代「プリウス」向けにニッケル水素電池の供給を開始。最盛期には約80億円の年間売上高があったが直近は約50億円に縮小し、赤字だったとみられる。日本企業とも交渉したが条件などで折り合わなかった。
旧世代とはいえ、電池ビジネスで日本勢のライバルとなる中国企業が技術を取得することになる。業界内には「中国当局が日本企業への売却に難色を示したのではないか」との指摘もある。
パナソニックは2009年12月に三洋電機を子会社化したが、買収前の独禁法審査で中国当局が車載用ニッケル水素電池のシェアが高すぎると指摘し、是正措置を求めていた。パナソニックはトヨタと共同出資のニッケル水素電池製造会社「プライムアースEVエナジー」(静岡県湖西市)についても10年4月に出資比率を4割から2割弱に引き下げていた。
中国は08年に独禁法を施行。M&A(合併・買収)では合併後の世界売上高が一定規模を超える場合などが事前審査の対象で、09年には米コカ・コーラによる中国果汁大手の買収を却下している。
湖南科力遠は1998年創業で09年12月期の売上高は約170億円。車載用電池への本格参入のため08年には香港企業との共同出資会社を設立。今回の買収でトヨタやホンダ向けの交換用電池の生産を引き継ぐほか、中国メーカー向けも拡大できると判断したようだ。
パナソニックグループは車載用電池でプラグインハイブリッド車や電気自動車向けの高容量リチウムイオン電池に経営資源を集中している。ニッケル水素電池ではホンダや米フォード・モーターなどが三洋の顧客だが、三洋の洲本工場(兵庫県洲本市)が供給を続ける。車載用電池を含むパナソニックのエナジーシステム事業の売上高は10年3月期で5400億円。
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