鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山の新燃岳で、1日午前8時前、2日ぶりに爆発的な噴火を観測しました。この噴火で、新燃岳の火口から南西側にある鹿児島県霧島市湯之野の観測点で、空気の振動の大きさ測るを空振計が、458.4パスカルを観測しました。気象庁によりますと、100パスカルを超えると周辺の建物の窓ガラスが割れるなどの被害が出るおそれがあるということです。
鹿児島地方気象台によりますと、1日午前7時54分ごろ、鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山の新燃岳で爆発的な噴火を観測し、噴煙は2000メートルの高さまで上がりました。この噴火で、新燃岳の火口から南西側にある鹿児島県霧島市湯之野の観測点で空気の振動の大きさ測る空振計が458.4パスカルを観測しました。気象庁によりますと、100パスカルを超えると周辺の建物の窓ガラスが割れるなどの被害が出るおそれがあるということです。新燃岳の火口から11キロ離れた霧島市田口にある霧島市役所の霧島総合支所では、午前8時前、「どーん」という大きな音とともに窓ガラスがガタガタと震え、1階にあるドアのガラスが割れました。また、火口から南西に6キロ余り離れた霧島市内のホテルでも大きな音ともに窓ガラスが震え、通路や玄関の窓ガラスなど、少なくとも6枚以上が割れました。火口からおよそ10キロほど離れた宮崎県高原町の小学校では、大きな音がして窓ガラスが揺れ、教師や子どもたちが火口から噴煙が上がる様子を心配そうに見ていました。気象台は、大きな噴石が飛ぶおそれがある火口からおよそ3キロの範囲には立ち入らないよう呼びかけるとともに、風下となる地域では小さな噴石や火山灰に注意するよう呼びかけています。この噴火で、鹿児島県霧島市牧園町の病院「霧島温泉クリニック」では、窓ガラスが複数割れ、入院していた90代の女性患者1人が額を切るけがをして手当てを受けているということです。当直の看護師の1人は「ドーンという大きな音がして窓ガラスの破片がバラバラと落ちてきて怖かった」と話していました。今回の爆発的な噴火を受けて、鹿児島県霧島市の霧島総合支所は、火口から南におよそ4キロ離れた神宮台と呼ばれる地域に職員を派遣し、住民に、自主的な避難を呼びかけています。また、支所では、職員が、住民に電話をかけて被害の確認に追われていました。霧島市によりますと、この地域にはおよそ90軒の別荘と、およそ20軒の住宅やペンションがあるということです。