2003 年、格安液晶テレビで家電業界に殴り込みをかけた家電ベンチャー「バイ・デザイン」。販売する液晶テレビやプラズマテレビの価格は、大手メーカーに比べて2~3割安い。フルハイビジョン液晶テレビなら47インチで約27万円、直販専用モデルでは47インチで19万円の液晶テレビもある。
安さの秘密は他社の力だ。バイ・デザインは工場を持たない。企画・デザイン・販売に専念して、パネルなどは部品メーカーから調達し、肝心の製造は中国の工場に組み立てを委託しているのだ。自社工場を持っていればかかる設備投資費、人件費は一切必要なく、他社の協力で安さを実現している。
さらに、ブランドイメージを作るための広告宣伝費は一切使わない。社員はたった30人、1人で何役もこなす。広告宣伝費や人件費を徹底的に抑えていることも安さの秘密だ。社長の飯塚氏自らも中国やアメリカなどを飛び回る際は必ず格安航空券と格安ホテル...ケチぶりは徹底している。
飯塚氏は、かつてパソコン大手「デル」の日本法人社長を務めた。1995年に独立し、パソコンメーカー『アキア』を作ったが失敗。20億円以上の借金を返済し、2003年に「バイ・デザイン」を設立した。2003年にはわずか1000万円だった売上高は北米を中心に急成長し、2005年には54億円までなった。現在は日本国内でも大手家電量販店おほとんどにバイ・デザインのテレビが並ぶ。
敗者復活...薄型テレビに賭けた飯塚氏に話を聞く。
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