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サムスン「Galaxy Tab」、実売数は「きわめて少ない」 - 出荷台数との乖離が話題に

2011.02.01

昨年秋の発売以来「販売好調」と伝えられていたサムスン(Samsung)のAndroid搭載タブレット「Galaxy Tab」だが、ここに来てその実売数に関する同社幹部のコメントが注目を集めている。

Wall Street Journalの「Digit」ブログが米国時間1月31日に報じたところによると、先週金曜日(28日)に行われたサムスンの決算発表のなかで、同社のリー・ヨン・ヒ(Lee Young-hee)という幹部が、先月公表した「累計販売台数200万台」などの数字はユーザーへの実売数ではないことを明らかにしたという。そして、出席した投資銀行のアナリストからの実売数に関する質問に対して、この幹部は実売数が公表した数字に比べて「きわめて少ない」("quite small")と認めたものの、具体的な数字は示さなかったという。

この幹部の説明によれば、サムスンから流通業者への販売台数を表す「セール・イン」(sell-in)と、流通業者からコンシューマーへの販売台数を示す「セール・アウト」(sell-out)という2種類の数字があり、サムスンがこれまで公表していた数字は前者にあたるという。

また、同幹部は「実売数は予想したほど急速に伸びてはいないが、それでもわれわれはこの数字に満足している」とした上で、2011年の販売予想についても「きわめて楽観的」だとコメントしたという。

アップル関連の著名なブログ「Daring Fireball」では、このDigitの記事に言及し、「実際にGalaxy Tabが使われているのは私は目にしたことがない。飛行機に乗るたびに、iPadやKindleを手にしている人はたくさん見かける。企業が小売業者に単に『出荷』した数を『販売台数』というのは有害だ。自分をふくめて、ほとんどすべての人が、これまでのサムスンの発表を勘違いしていた」と記している。

いっぽう、GigaOMでは「サムスン(Galaxy Tab)の成功がいまのところは限定的であるとしても、Appleがこのまま圧倒的なリードを保てるとは限らない。今年はモトローラ(Motorola)の「Xoom」やリサーチ・イン・モーション(Research In Motion)の「BlackBerry PlayBook」、そしてHPでもwebOS搭載タブレットを投入してくる。もちろんアップルでもiPad 2を春先に発表すると見られているが」と述べている。


【参照情報】
Samsung Galaxy Tab Sales Actually 'Quite Small' - Digit (Wall Street Journal)
Samsung Galaxy Tab Sales Actually 'Quite Small' - Daring Fireball
Samsung Tab Ships Big, But Apple's iPad Sells - GigaOM



三国大洋(スタッフライター)

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