2011年1月30日日曜日

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二度とJALに乗らないと決めた理由


JALには1ヵ月前に痛い目に合っていたのですが、これをブログ記事一本書くには相当な気合いと怒りボルテージがいるので、授業やら何やらがあって延ばし延ばしにしてました。しかしこの記事見てJALへの苛立ちが再点火。いい加減すぎて改めてJAL二度と乗らない、そして重い腰を上げてブログに書こうと決意。

他の機体に異常なし=脱出装置不具合-日航
 日本航空のボーイング777-300型の1機で脱出用装置が正常に作動しないまま約2年11カ月飛行していた問題で、日航は29日、同様の可能性があった他の7機を点検した結果、異常は見つからなかったと明らかにした。
 不具合は業務委託先の担当者の作業ミスが原因と判明し、この担当者が扱った同型機について調べていた。(2011/01/29-13:37)


遡ること約1ヵ月前、秋学期を終えて冬休みを日本で過ごすためにサンフランシスコ-羽田のJAL便に乗り、機内で「日本でどんなご飯食べようかなぁ...まぁまずは焼肉かな」と思いを馳せていた時のことです。

搭乗後、本を読んだりパソコンいじったりできるようにいつものようにカバンを前の座席の下に入れ、ビデオを観つつ飛行機に乗って約2時間弱、機内食のカレーが出てきたので客室乗務員のお姉さんにエビスの缶ビールをお願いして一緒に食べていると、隣の座席に座っていた母親に向かって通路側から女の子の声が。自分は通路側に座り、その母親(日本人)を挟んで窓際にその息子(3、4歳ぐらい)という席順で座っていたのですが、どうやらその女の子は母親の娘さんで僕らの座席の2列ほど前の席にお父さん(米国系)と一緒に座っており、通路まで来たのは母親に会いに来たからのようでした。僕自身ビール飲んでトイレに行きたかったし、まぁ娘さんもお母さんと話したがってるようだったので「一旦席外しましょうか?」と母親に尋ね、食べ終わったカレーのトレイを客室乗務員に渡して簡易机を片付け、半分ほど残っていたビールはこのまま捨てるのももったいないし何となく客室乗務員の方に申し訳なかったので「残りはまた後で飲むか」と思ってシートネットに入れてトイレに行きました。

5分後トイレから席に戻ると、隣の母親・息子は席を外しておりどこかに行っている模様。娘も連れて子ども2人のトイレの面倒でも看てるんだろうなと思い、「さて飲み直すか」とビールの缶に手を伸ばし持ちあげると、軽い。圧倒的に軽い。というか中身が無い。あれ、もしや...と思い前の座席下に入れていたカバンに手をかけると、びっしゃびしゃ。まさかと思いカバンを鼻に近付けると想像通りの麦芽臭。何故かビールがこぼれてカバンにしみ込んでおり、中に入れていたMacbook Airやら何やらがほぼ濡れていました。「あれ、あれ...」と焦りながらもとりあえず客室乗務員にフキンをもらって諸々拭いていると、見かねたその乗務員が「後ろの方でお拭きになりますか?」と尋ねてきたので、慌てていた自分の頭の中の整理・状況確認も兼ねて自分の席を離れてそのまま機体最後部の乗務員スペースに行きました。

諸々拭きつつ、「濡れたとしても布製品は洗って乾かせばまた使える、けれどもMacbook Airは...」と思いながら恐る恐る電源を付けるとジャジャーンといつもの起動音。「これは!来たミラクル!」と無事を喜びかけたのも束の間、液晶画面のおよそ半分が水漏れで汚損。画面に半透明のスライム写ってんじゃないかと思わんばかりの見事な液漏れ。「やっぱりか」とガックリ肩を落とし、バッグなどを拭きながら「これからどうしようか...新しいモデルのMacbook Airでも買うかな、いやいや結局15、6万するんだったよなぁ」などと考えながらも、頭は原因追及に向かいました。

今思えば確かにビールを無造作にシートネットに置いてしまった僕も悪いんですが、そこしか置く場所はありませんでした。自分は立ち上がって通路に出てからビール缶をシートネットに入れたので、どう考えてもこれを倒してこぼしたのは自分ではありません。故意にビール缶をこぼして俺のバッグを濡らしパソコンにダメージを喰らわせることでメリットのある人物、それは...いやいませんよそんな殊勝なやつ。ということは、意図的・非意図的関係無く僕の座席に接触する機会があるのは、座席を立ち通路に出た母親とその息子ということになります。あくまで推論なのですが、どう時間を巻き戻してもこれしか考えられませんでした。


上述の様子を話し、犯人探しというわけでは無いけれどもおそらく隣の親子連れが何やかんやしているうちにシートに当たってこぼれたのではないかと、ここまでの一連の流れを客室乗務員のマネージャーのおばさまに報告すると、「あちらのお客様のご意見も伺って参ります」と、機体後方でまだカバンを拭き続ける僕の所から、座席に座る母親・息子の元へ。向こうの意見を聞いてきたおばさまの第一声、


わたしじゃないっていってます


えっと、バカなのかな... そりゃ皆言いますよ。自分が不都合になることなので。御用聞きじゃないんやから、二人の仲介を買って出たのだからそこはもうちょい踏み込んだ原因調査をするもんじゃないかなぁ...。これ、本当なら自分で聞きたかったけれども、マネージャーってことでどうやら間を持ってくれるというので相手方の話を聞くのをお任せした所、返ってきたのがこの答え。あと「自分たちが通路に出る前にもうビール缶はシートネットの中で倒れてこぼれており、私はそれを元の位置に直しただけ」と仰っている模様。ありえんありえん。僕は立ち上がってからシートネットにビール缶を入れてトイレに行ったので接触する機会無し、どう考えても他にシートネットに接触する可能性があるのは隣の母子だったのに、ここで僕の一番の失敗が、この時すぐにでも相手の元に行ってお互い状況を確認しながら議論せず、頭がこんがらがっていたためJAL客室乗務員に任せてしまったこと。客室乗務員が何か動いてくれてるしまぁいっかと、周りの乗客の目を気にせず直接言い合いをするという選択肢を選べなかった自分のミス。その後、先ほどまで座っていたエコノミーの座席からビジネスエコノミーの席を1つ手配してくれたのですが、この行為自体が"加害者・被害者の関係性(の可能性があるということ)をJAL側が自覚している"ことの証明だと思い、また「到着してから地上の係員が再度お客様のご意見を伺いますので...」と言われ、その場の後処理はJALに任せてしまったのです。ここで本来ならば事件が発生して被害者側の自分が直接加害者(と思しき人)と話したりきちんと調査して周りに聞き込みしたりすれば良かったのですが、濡れたかばんの中身やMacbook Airの状態が心配だった僕はそれに頭が回らずイチ交通機関を過信していました。

数時間後、夜中10時過ぎに羽田空港に到着して手荷物受取場所の所で地上係員にこれまでの話をもう一度繰り返して伝え、向こうの母子との間を持とうとするも返ってくる答えは「あちらの母親の方は、私じゃないって言ってるんですよねぇ」。機内の客室乗務員・地上の係員、どちらも伝言ゲームだけは得意なようです。今思えば単なるイチ社員に推理作業を要求してしまったのはおかしな話でやっぱり自分で動かなければならなかったんですが、ちょっとどうしても納得いかなかったので「JALさんとしては今後どういう対応をなさるご予定なんですか?」と尋ねると、「私どもの方でできることは申し訳ありませんが事故証明をお出しすることぐらいしかできません」と言われ、Macbook Airに関しての損害は「もし入っておられれば、旅行保険でカバーできると思われます」と。そうか...まぁこれはこれで仕方ないか、と思い夜も遅かったので(この時点で夜中11時半頃)、一応一通りの主張を若干強めに伝え、地上係員の名刺をもらい空港を離れて帰路に着きました。


さて、このブログ記事はまだまだ続くわけなのですが、全体を通して僕が怒りを隠せないのは、事件そのものではなくJALの対応なのです。


一夜明け、渋谷のApple Storeに行ってMacbook Airの状況を確認してもらうと、液晶部分に液体が染み込み同時に回路部分にも漏れているようで錆びている可能性があるためどうやら全損の恐れ有り、いつ使えなくなるかちょっと分からない、もしかしたら液晶画面交換・回路部分検査のみで済むかもしれないけれども、修理費用の下限は94,500円になりそうです(つまり修理センターに持ち込むまで全損 or 最低94,500円で回復可能かは分からない)、とのこと。あぁぁぁ、やはりか、と。そして一旦持ち帰ったその翌日、案の定、いきなり電源ボタンを押しても付かなくなりMacbook Airが息を吹き返すことは無くなりました。そして再度Apple Storeに持っていき修理をお願いしたのですが、やはり物品の損害があり被害者がいる以上ちょっとJALに間に入ってもらってあの母子と話をしたいと思い、昨夜もらった地上係員の名刺の電話番号に電話をかけて、カスタマーサポート窓口につながったのでその場の担当に事件の顛末を伝えて、昨夜の件について隣の乗客と話をしたいんですがと話すと、

「個人情報保護法に照らし合わせてちょっと相手の方のお名前やご連絡先をお伝えすることはできないんです...」

あれ?ついこの間の出来事ですけど...相手も僕が諸々苦情を申し立てているのを知っててOK出してましたけど。当日だったらOKで日が改まったらNGって何それ。いや、だから、被害者と加害者の関係性をそちらも理解しているでしょ云々申し立てても、JAL側の回答は変わらず。一旦電話を切ったものの、またやっぱり納得いかないので同じ電話番号にかけて、前対応した人を呼び出してもらおうとしたけれども結局シフト交代制でどうやら同じ人が対応することは難しい様で、今度は声のでかい別のおばちゃんが出てきたので、また一通り今回の内容をまた伝えると、若干威圧するようなトーンで、

だから言ってるでしょ?個人情報保護法の関係でお名前お伝えできないって。え、ご存じないんですか?

いや~警察が動いたら、指示に従ってお教えできるんですがねぇ~

...久々にカチンときたぜカスタマーサポート。「ここでキレたらこっちの負け。ここで怒鳴ったらまたいがみ合いになってしまう」と冷静になり、このおばちゃんの対応には未だに理解しかねる部分があったけれども、ここは平静を保って「チェンジ」と一言、「あなたじゃ話にならないので、最低限の他人との対応の仕方が分かる方呼んで頂けますか?」 しかし別の人と代わる時にこのおばさん、操作ミスで普通に受話器を置いてしまったのか「ツーツーツー...」 いやいやいや。もっかいかけ直してまた違う人にまた同じ話をするとまた同じ内容の対応をされたんですが、ここで耳を疑う言葉が。

いやいくら申されましてもナカヤマさんの連絡先は...

え、名前言うてますけど。ナカヤマさん(仮名)って。あれ、それお宅の大好きな個人情報保護法で言えないんじゃなかったっけ?

あ、いえ、お名前だけは言っても良いと回ってきまして...

何だよその漏れだらけの社内回覧板。もし立場が逆だったら自分の名前や個人情報が簡単に漏れんじゃない?とひやっとして、同時にこの人たち個人情報保護法って言えばクレーマーは引き下がるやろと思ってるんやなぁとしみじみ。やっぱりきちんとこういうのは筋通してやり切ろうということで、警察に行きました。


羽田空港内で起こった事件は全て東京空港警察署が管轄しており、その時の宿は横浜だったので朝6時過ぎに起きて朝イチで羽田に向かいました。そして国際線ターミナルも出来て広くなった羽田をうろうろしてやっとの思いで空港警察署に着き、警察の方に事情を説明。一定の理解をしてくれたのですが、加害者側に"故意で"行った証拠またはその場で目撃した第三者の証言が無い以上警察の方は刑事事件として動きたくても動けないんです...と。じゃあ民事事件で弁護士を立てるというのも手ですよ?という提案を受け、どうしようかと思いつつ警察の人たちが調べものをしている間、もしやと思い、自分の留学生用海外旅行保険を申し込んでいた損保ジャパンに問い合わせると、15分もしないうちに担当社員から折り返し電話がかかってきて、

お客様の申し込み内容を確認しました所、旅行中の物損に関しては上限10万円までなら弊社の保険が効きます。

キターーーー!!さすが損保ジャパン!実はこの損保ジャパン、急な病気やケガに対応可能な提携病院に何とスタンフォード大学の病院を登録しているまさにスタンフォード大学留学生向けな保険なワケなんですが、また今回のこの俊敏な対応に好感度再度上昇。しかももしやと思って聞いた昨年夏前の車上荒らし@サンフランシスコの件に関しても、自動車修理分は厳しいですが盗られたカーナビ分でしたらもしかすると対応可能かもしれません、と。すげぇ。日本滞在先に書類一式を送るので必要項目を記入して返信してくれればOKとのことなので、94,500円でMacbook Airが修理可能であればどうやらその修理代は保険でカバーできそうです。正直被害者側として納得いくものでは無かったんですが、これ以上警察・弁護士の方と事件解明に時間と金銭を費やしても肉体的・精神的疲労を蓄積するだけ、と結論付けて民事事件としての立件・弁護士への相談は取り止めました。

警察から帰る途中やはりどうしてもJALの対応に直接文句を言いたかったのでまたカスタマーサポートに電話をかけて、何回もたらいまわしにされていて話にならないのでお宅の部門の責任者呼んで頂けますか?と尋ねるとサポート部門マネージャーと思しきおじさんが出てきたので、諸々の件でお宅に言いたいことがあるから数十分で良いから時間とってJAL本社であなたと直接話をさせてくれ、と伝えると、

私どもとしては何か具体的な対応ができかねるというスタンスに変わりは無く、お客様が来られても時間の無駄かと...

...もうこれまでの流れでこういう人間性に欠けた機械的対応に慣れてしまった自分が嫌になります。時間の無駄か否かを計算するのではなくて直接言いたいことがあるからお宅に今電話かけてるんですけど、何ならこの電話自体本当なら時間の無駄なんですがその貴重な時間使ってお宅と話をしようと思って電話してるんですよ、と返しても、

と言いましても、私どもの対応が変わるわけではなく...

というやり取りを6、7往復した後、このままでは埒が明かないので、今まで20年以上JALに乗ってきたいち顧客がここまで何日にも渡って不満を伝えている、これを放置しておいて本当に良いんですか?ここをこうすれば良いといった改善案を消費者から聞ける機会をみすみす逃してしまうんですか?と伝えると、分かりました、とようやく許諾。

日を改めて天王洲アイルのJAL本社に行くと、先の担当マネージャーとサポート部門の部長が出てきて会議室で3人で話し合い。機内で間を取り持つかのように動いたにもかかわらずいざ地上に着くと連絡先教えられませんという手の平返し、たらい回しにされ挙句の果てには挑発的にたしなめられた電話越しの対応、個人情報保護法だ何だかんだ言っときながら何故か出てきたナカヤマさんの名前、20年来の怒れるJALユーザーを放置する危機感の無さ、どれも1つ1つは取るに足らないことかもしれないけれどもこういうことが積み重なって企業の信用って崩れていくんですよ、会社の状況が最悪な今こそこういう所からきちんとケアすべきなんじゃないですか、正直こんなだらしない対応されたらはっきり言って二度と乗る気無いですから、とつい興奮して自分の父親以上の年の大人2人に説教してしまいました。それも、JAL社員の目の前でANAカード申込書作るぐらいの勢いで。一通り伝えたいことを伝えて、引き続き、加害者(と思われる方)のナカヤマさんと連絡取りたいのでそれは責任持って連絡持って間に入って下さい、きっちりやるってことの意思表示のために念書書いて頂けますか?と聞くと、念書書きを渋る50歳過ぎの部長が、

お客様は契約社会のアメリカに今ご滞在ですが、ここはひとつ私どもを信頼して頂き、ジャパニーズスタイルでお願いできませんか。

何やねんジャパニーズスタイルって。ちょっと笑ってしまったやんか。おちょくってんのか?まぁこれ以上突っ込んでも何の実りも無さそうやし、結局実被害は保険でカバーできそうやから彼らに文句言っても時間の無駄なので、言いたいこと直接言えただけでもまぁ良しとするか、と思いそのまま帰路に着く直前、会議室出ようとすると、

いろいろあったかもしれませんが、これからもJALへのご搭乗お待ちしております

え、話聞いてた?僕怒ってるって言ったよね...節操無いんかこの人たちは笑


そして再度天王洲アイルから渋谷に向かい、Apple Storeに検査結果を聞きに行った所、運よく94,500円で修理可能だったとのこと、損保ジャパンで保険かけといて良かったーーと安心しながら修理後の現物を見ると、無事電源も付き液晶画面の汚損部分も完全に直っていたのですが、液晶画面の枠(ベゼル)部分にちっちゃい傷が。。。「あれ、ここ傷付いてるんですけど...」と恐る恐る担当の人に聞くと、若干焦りつつ店の裏に消えていき待つこと約5分、

この度は申し訳ありません、ベゼル部分の全取り換えになるので約50,000円の修理になるんですが、お客様にご迷惑をおかけしたので先の94,500円と合わせて弊社が負担させて頂きます。」

キターーーー!!まさかのApple Storeの神対応。そして約5日後、無事傷も消えて画面も良好、完全修理されたMacbook Airがやっと手元に届きました。JALのどこまでも斜め下を行く顧客対応スタンスと、損保ジャパンとAppleの親切かつ的確な対応、明らかに対称的でもはや比較するまでも無し。企業によってここまで変わるんやなぁとしみじみ思いました。皆さんも気を付けて下さい。まぁ今の時代、JALに乗った時点でちょっと問題ありだよみたいなツッコミは勘弁して下さい笑


Lessons Learned:
・いち企業を過信して多くを求めることなく、自分で動いて行動すべし
・事件に巻き込まれたら、冷静になってすぐに状況を判断して自ら整理すべし
・ANAマイレージカードを今すぐ作るべし
・こういう長編ブログを書くときは、だらだら後延ばしにせずその時の感情に任せて一気に書き上げるべし
・こんなブログ書かないで勉強すべし

今度はもっと有益なブログ記事書きますんでこの辺でご容赦下せぇ。

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