ニュース特報

2011年01月31日号

【小沢氏側の抵抗】
石川議員の再聴取の全容判明、鷲見一雄の「なぜ、指定弁護人の聴取要請で主張しなかったのか疑問」とコメント


●西日本新聞配信記事
 西日本新聞は31日、《石川議員再聴取の全容判明 「従前の供述維持が無難」》という見出しで次の記事を配信した。
 収支報告書虚偽記入事件で小沢一郎民主党元代表を「起訴相当」とした東京第5検察審査会の1回目の議決を受け、東京地検特捜部が再捜査の一環として昨年5月に行った元秘書の衆院議員石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反罪で起訴=に対する任意の事情聴取の全容が30日、関係者への取材で判明した。

 担当検事が「従前の供述を維持するのが無難だって。維持している限り(小沢氏は)起訴にならないと思うよ。彼ら(審査員)の気持ちをどう動かすかだよね」と検審への影響を挙げ、供述を誘導しようとする実態が見て取れる内容だ。

 石川議員側は録音記録を証拠として東京地裁に申請するとともに、東京地検にも開示。この供述内容を信用できるとした起訴議決に基づき強制起訴される小沢氏の公判に大きな影響が出そうだ。

 関係者によると、石川議員は、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏からアドバイスされ、ICレコーダーをかばんに忍ばせて録音。再聴取の冒頭「録音してないよね」と聞かれ、「大丈夫です」と答えると「下着の中とかに入ってない?」と重ねて確認された。

●鷲見一雄のコメント
「議員と秘書の関係について東京地裁は「秘書にすぎない者が、重要な事柄を独断できめられるはずもなく、議員の意向を確認するのは自然なことである」(平成15年6月10日 平成13年刑(わ)710号)という判例を出している。これが社会通念である。
 担当検事はこの判例に基づいて石川被告を説得した公算が強く、不自然な供述を引き出そうと誘導したとは私には思えない。従前の供述は検事と石川被告がにらめっこをしたと思われるが、石川氏が検事からいくつかの状況証拠を示され、逃げようがなく供述せざるをえなかったと推認される。従って録音記録は「小沢氏の公判の論点にはなるだろうが、大きな影響を受けることはない」と私は見立てる。東京地検の検事の部屋にまで謀略の罠が仕掛けられる時代、可視化の必要性を痛感する。」

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