粟生、西岡が下田を祝福！帝拳３人王者だ…ＷＢＡ世界Ｓバンタム級戦

　◆報知新聞社後援　プロボクシングＷＢＡ世界スーパーバンタム級タイトルマッチ　○下田昭文（判定３―０）李冽理●（３１日・有明コロシアム）　リングサイドに陣取った仲間の歓声は新王者にも届いたはずだ。「勝ってよかった」と粟生が声を弾ませば、放送席で見つめた西岡も優しい笑みを浮かべた。ジム史上初めて日本人王者が同時期に３人に。帝拳ジム関係者は喜びに浸った。

　「自分の試合以上に緊張した。熱い試合になると思ったけど、あれだけ一方的になるとは」と粟生。同い年の２人だが、入門は下田が先。高校時代に実績がある粟生と、下田は競い合うように練習してきた。「ある時期は誰もが下田が上と言っていたけど、先に（世界に）出られて焦っていた。今回はいい方向に出たのでは」と本田会長。同じ左構えとあって粟生とアドバイスを送った西岡も「やるべきことはやってきた。倒せる場面もあったけど、勝ててよかった」と満足げだった。

　下田のＷＢＡ王座奪取でＷＢＣの西岡と合わせスーパーバンタム級は帝拳が制圧。「なかなかないこと。王者は３人になるのでジムも盛り上がる」と西岡。４月に予定される西岡、粟生の防衛戦へ勢いをつける下田の勝利。帝拳の黄金期は揺るぎないものになりそうだ。

　【帝拳ジム所属の歴代世界王者】故・大場政夫、浜田剛史、ホルヘ・リナレス、西岡利晃、粟生隆寛に続き、下田は６人目の世界王者となった。最多は協栄の１１人。帝拳はヨネクラと並んで２位タイ。