普天間爆音 放置の13年 SACO後も高止まり

市、岡田氏に「証拠」

2011年1月11日 09時36分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【宜野湾】米軍普天間飛行場周辺の航空機騒音が、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意以降も軽減されていないことが10日、分かった。宜野湾市基地政策部が、来県中の岡田克也民主党幹事長と安里猛同市長の面談に際しとりまとめ、提出した。嘉手納基地などを含め、米軍基地周辺の騒音軽減を大きな柱に据えた同合意の実効性が問われており、市関係者からは「機能強化」と批判の声が上がっている。(川上夏子)

 市は同飛行場の周辺に設置した測定器などを基に、97~2009年度の13年間のうるささ指数(W値)とピークレベル(デシベル)を推移グラフにした。観測地点は野嵩地区、新城地区、上大謝名地区の3区。

 うるささ指数のグラフでは、上大謝名地区が最もうるさく、01年度には最大値として87W値を観測。97年度と09年年度を比較すると、共に83で、変化がない。野嵩地区では01年度、最大値で79を観測した。97年度は76。07年度からは77が続き、横ばいとなっている。普天間第二小のある新城地区でも、13年間の中で、70を下回ったのは2000年度の1度だけだった。

 ピークレベル(デシベル)別のグラフでは、上大謝名地区で、97年度に119・2デシベル。09年度に119・0デシベル(自動車の警笛前方2メートルに相当)を観測した。

 しかし、同地区では、今回の統計以降、昨年10月のF15の飛来に伴い、123・6デシベル(飛行機エンジン近くに相当)を記録。県によると過去10年間で最大の数値だったという。

 04年度はうるささ指数と騒音発生回数が減っているが、同年8月に沖縄国際大学に同基地所属のヘリが墜落した事故が影響したとみられている。

 市基地政策部の職員は「最大ピークレベルで見ると、基地機能の強化と言わざるを得ない」と、SACO合意後も変わらない現状を批判。

 安里市長は10日にあった岡田民主党幹事長との面談の席上、「(合意が)順守されていない状況を米軍に是正させるべき」との要請文を提出した。

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