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内山V3!左手一本で逆転TKO

 8回、的確な内山高志(左)の左ジャブが三浦隆司の顔面に決まる(撮影・吉澤敬太)
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 8回、的確な内山高志(左)の左ジャブが三浦隆司の顔面に決まる(撮影・吉澤敬太)

 「WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ」(31日、有明コロシアム)

 WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(31)=ワタナベ=が挑戦者の三浦隆司(26)=横浜光=を8回終了TKOで下し、3度目の防衛に成功した。内山は2回に右手を骨折し、3回にダウンを喫したが、昨年1月の王座奪取以来、自身の記録を更新する4連続KO勝利を果たした。スーパーバンタム級タイトルマッチは同級6位の挑戦者・下田昭文(26)=帝拳=が王者・李冽理(28)=横浜光=から3度のダウンを奪い、3‐0の判定で新王者となった。

  ◇  ◇

 まさかのダウンを喫しながら、徹底した左ジャブで相手の右目をふさいで逆転V3勝利。王者の底力を見せた内山だったが、実は2回に右手を骨折し、左手だけで戦っていた。

 3回、偶然のバッティングで右まゆ下をカット。「ボクシングで初めての経験。血が目に入って視界がぼやけ、これで集中力が切れた」。そして2分20秒過ぎ、内山は三浦の左ストレートを浴びてダウン。「目を横にそらした瞬間、“ズドン!”と来た。『やっちゃったな』と思った」。だが、これで目が覚めた。

 「ダメージはなかった。KOは意識せず、大振りで倒しにくる相手をかわしながら、冷静に左を当てた」。三浦の右目周辺は大きく腫れ、8回には完全に目がふさがっていた。「左からのジャブとフックが面白いように当たり出したので、相手は目が見えてないなと。このまま終盤で一発合わせれば倒せると思った」。既に、この時点で勝利を確信。相手陣営はその前に試合を棄権した。

 「プロ入り後、一番の苦戦だった。ただ、収穫もあった。左腕だけで試合をコントロールして勝てたことです」。試合後の控室。氷水で冷やした右手甲は倍以上の大きさで赤紫色に腫れ、ドクターに患部を抑えられると激痛に顔をゆがめた。

 渡辺均会長は「しばらく休ませる。次戦は夏か秋」と明言。今回、王座統一戦を回避したホルヘ・ソリス(メキシコ)を含め、世界の強豪を今後も迎え撃つ。内山は「不完全燃焼な部分もあったが、いい経験になった。課題は修正して次はしっかりKOで勝つ」と、V4戦に向けて気を引き締めた。

(2011年1月31日)

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