民主党の小沢一郎元代表が、自らの資金管理団体「陸山会」による4億円の土地購入を巡る政治資金規正法違反罪で起訴された。検察審査会の議決に基づく。
小沢元代表は様々な疑惑が浮上した後も、国会での説明を拒んだまま刑事被告人となった。こうした対応を許した民主党の責任は重く、国会招致や離党など何らかのけじめを示す必要がある。
東京地検は既に、陸山会の会計責任者だった元秘書らを収支報告書虚偽記入で起訴した。小沢元代表の起訴内容は元秘書らの共犯である。
小沢元代表を捜査した東京地検が起訴に踏み切れなかったのは、元秘書らとの共謀を立証する証拠が不十分だったからだ。検審の2度にわたる起訴相当議決をうけ、検察官役に指定された弁護士らが補充捜査で新証拠を得たとは考えにくい。
そのうえ、検審が重視した元秘書らの検察官調書の信用性が揺らぐ可能性が出てきた。元秘書が隠しどりした任意聴取の録音が、元秘書らの裁判で証拠採用されたのだ。録音を聴けば検察官の無理な取り調べが明らかになる、と弁護側は主張する。“小沢裁判”も検察官役にとって厳しいものになりそうだ。
検審の議決書にいうとおり「無罪か有罪かを判断するのは裁判」であり、被告人は無罪推定を受ける。しかし、政治家の説明責任、道義的責任は別の問題だ。
野党が追及するのは収支報告書の虚偽記入の経緯だけでなく、土地購入に充てられた巨額資金の出もとでもある。小沢元代表側の説明は政治資金から、銀行融資に、さらには手元資金へと二転三転した。以前に公表した土地購入の「確認書」が事後作成だった事実も判明した。
小沢元代表は昨年10月に強制起訴が決まった後、身の処し方に関して「国会の決定に従う」と語った。しかし民主党執行部からの衆院政治倫理審査会への出席要請を事実上無視したまま今日の起訴に至った。
与野党は政治資金が絡む多くの不祥事を踏まえて「疑惑をもたれた場合には自ら真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにする」との政治倫理綱領を定めた。小沢元代表の問題が浮上して2年近くたつが、こうした議会のルールに背を向ける姿勢が目立った。
民主党はいつまで身内に甘い対応を続けるつもりだろうか。政治倫理審査会への出席が実現しなければ、参考人招致や証人喚問という選択もありうる。小沢元代表への離党勧告も検討すべきである。
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