2011年2月1日6時56分
「残念というか、自分自身の調書によって起訴議決が出て、申し訳なく思う」
31日午後、小沢氏が強制起訴されたとの知らせを受け、元秘書で衆院議員の石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反罪で起訴=は、朝日新聞の取材にそう話した。
7日から始まる自分の公判でも「小沢先生が起訴されるような行為はなかったと証明したい」。昨年2月の民主党離党後も小沢氏への忠誠心に変わりがないことを示した。
石川氏は昨年1月に東京地検特捜部に逮捕された際、収支報告書の虚偽記載を認めたうえで、収支報告書の提出前に小沢氏に「報告・相談した」という内容の供述調書に署名した。さらに同年5月、検察審査会が小沢氏を起訴相当とした後の再聴取でも、同じ内容の調書に署名。この調書が、同年10月に公表された小沢氏に対する「起訴議決」の中で、小沢氏との共謀を示す大きな根拠となった。
だがいま、石川氏は「自分の思いとは違う内容の調書を作られた」と主張する。
今年1月中旬、石川氏は朝日新聞の取材に応じた。勾留中につけていた「獄中ノート」をめくりながら、「『はっきりとした記憶はないんですが、(小沢氏に)言ったんじゃないですか』程度の話が、どんどん大げさになっていった」と振り返った。自身の裁判で調書の任意性や信用性について争う構えだ。
昨年5月、検察審査会の議決を受けた特捜部の再聴取の際には、捜査段階での供述を覆そうとした。しかし、検事から「今から変えると、かえって小沢さんが強制起訴になる可能性が高くなるよ」「上も納得しない」などと、逮捕時の供述を維持するよう求められた、という。
「『検察も小沢さんを強制起訴されたくない。考えは一致している』と検事に言われ、誘導された」。石川氏は聴取の内容を、ひそかにICレコーダーに録音していた。レコーダーは小沢氏の公判でも証拠提出される可能性がある。