霧島連山の新燃岳で見つかった山頂の溶岩ドームは、3日間ほどで直径およそ500メートルまで急速に大きくなりました。専門家は、火口が塞がれると火山ガスの圧力が高まって爆発するタイプの噴火が起きるおそれがあるとして、引き続き噴石などに注意するよう呼びかけています。
独立行政法人「防災科学技術研究所」の研究グループは、地球観測衛星「だいち」の特殊なレーダーで観測されたデータから新燃岳の溶岩ドームの変化を解析しました。それによりますと、溶岩ドームは先月27日には、山頂のくぼみのほぼ中央に白っぽく映り、直径はおよそ50メートルでしたが、3日後の30日には、およそ500メートルに急速に広がり、複数の火口があった山頂部分の半分以上を覆っていました。火山噴火予知連絡会の副会長で京都大学の石原和弘教授によりますと、溶岩ドームの体積は少なくとも400万立方メートルと推定されさらに大きくなる可能性があるということです。また、山頂が溶岩ドームで覆われた30日以降、新燃岳の山ろくの地震計では、地下の火山ガスの動きを示すとされる「C型微動」が観測されているということです。石原教授は「火口がふさがれ、火山ガスの圧力が高まっている可能性があり、爆発するタイプの噴火が起きるおそれがある。広い範囲に高温の噴石などが飛び散ることになるので、火口には絶対近づかず、風下の地域でも小さな噴石に注意してほしい」と話しています。