2009年6月24日16時45分
[東京 24日 ロイター] 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は24日午後の衆院決算行政監視委員会で、商品先物取引会社など5社から迂回(うかい)献金を受けていた疑いがあるとの報道について、商品取引業界から法案に関して陳情など一切なかったと述べた。
長妻昭委員(民主党)などの質問に答えた。
24日付毎日新聞は、商品先物取引会社「オリエント貿易」(現エイチ・エス・フューチャーズ)と関連4社が与謝野財務相や渡辺喜美元行政改革担当相が総務省に後援団体として届け出ていた政治団体「政経政策研究所(政経会)」を通じ、1992年から2005年に与謝野財務相に計5530万円、1995年から2005年に渡辺元行政改革担当相に計3540万円、それぞれ迂回献金をしていたと報じた。献金の原資はオリエント貿易と関連会社の社員らの給与から天引きした寄付金で、政経会をダミーにした企業献金の疑いが強く、政治資金規正法に反する可能性があると報じた。
献金の事実関係について与謝野財務相は「加藤氏が代表を務める『政経政策研究会』から、昭和56年(1981年)から平成17年(2005年)まで(与謝野財務相の)資金管理団体「駿山会」に月25万円の政治献金をいただいており、これは政治資金報告書で報告している」と説明。「政経政策研究会がどのように資金を集めているかはまったく知らないし、当時知る必要性も感じていなかった」として迂回献金を否定した。
また与謝野氏が、金融商品取引法を審議していた金融担当相時代にも献金を受けていたことになるが、報道されている商品取引会社などから依頼や陳情などはなかったのかとの質問に対し「商品取引業界から法案についての陳情など一切なかった」と語った。
与謝野財務相は24日朝、自宅前での記者団の取材に、問題となっている政治団体からの献金について「政治資金規正法上、形式的にも実質的にも問題はない。適法に受けている献金で、返却はしない」との考えを示していた。
河村建夫官房長官は午前の会見で、民主党の小沢一郎代表代行の公設秘書が逮捕された西松建設による献金事件との類似性について「西松建設のケースは、民主党の小沢一郎議員の秘書が逮捕された。すなわち小沢事務所、あるいは秘書の寄付のしくみ作り等にも関わったのではないか、それを承知のうえでやっていたのではないかという疑惑から、こういう事件になった。今回のケースとの違いははっきりしている」と弁護していた。
(ロイターニュース 吉川 裕子)