ルフィをかばって赤犬の拳に倒れたエース。その信じられない光景にルフィは茫然とする。海賊たちはエースの仇を討てと、赤犬に集中砲火を浴びせた。だが、赤犬はすぐさまダメージを再生、エースの息があることを知って、とどめを刺そうと狙いを定める。それを阻止しようとする白ひげだが黄猿の攻撃で動けない。しかし、ジンベエが身体を張ってルフィたちをかばう。一方、ガープがたまらず近づこうとするが、センゴクに押さえつけられる。ガープはこのまま押さえなければ自分は赤犬を殺してしまうと無念をにじませた。
裏切り者ジンベエを制裁すると、赤犬は拳を振りおろす。だが、駆けつけたマルコたちがジンベエを下がらせて斬りかかる。しかし、覇気をまとった攻撃でさえ通用しなかった。仲間たちが戦う中、エースの身体を抱きしめたルフィは、手にべっとりと血がついていることに動揺する。エースは自分の死ぬときぐらいわかると静かに言う。ルフィはエースを助けてくれと叫ぶが、船医はすでに手の施しようがなく無言となる。さらにイワンコフに自分を助けたようにエースを助けて欲しいと懇願する姿を見て、みんなは思わず口をつぐむ。
絶対死なせないと必死に叫ぶルフィを見て、子供のころを思い出すエース。もしもロジャーに子供がいたらとたずねるエースに、大人たちはいるはずがない、いても殺されて当然とあざ笑う。そんな大人たちを怒りに任せて殴り、ダダンにとがめられて俺に力があれば命を奪っていたと言い放つ幼いころのエース。もしもサボのことや、ルフィのように手のかかる弟がいなかったら、俺は生きようとも思わなかったとエースは言う。心残りはルフィの夢の果てを見られないことだが、お前なら必ずやれる、俺の弟だと静かに語りかけた…
俺の人生に悔いはないと語るエース。自分が欲しかったものをずっと探していたが、それは名声などではなかった。生まれてきてよかったのか、その答えを探し、ようやく見つけたのだ。自分を必要として受け入れてくれた白ひげ、ルフィ、そして仲間たちの姿を思い浮かべながら、エースはルフィに、もうみんなに届くような大声は出ないと伝言を頼む。そして「こんなどうしようもねえ俺を…鬼の子の俺を愛してくれてありがとう」と告げ、静かに目を閉じた。安らかに眠るようなエースの顔を見たルフィは、我を忘れ天に向かい号泣する。