ライフ【産経抄】1月30日2011.1.30 04:09

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【産経抄】
1月30日

2011.1.30 04:09

 かつて春日三球・照代さんの「地下鉄漫才」が人気を呼んだことがある。「地下鉄の電車はどこから地下に入れたのでしょう」「それを考えると夜も眠れない」。言われてみれば誰でも感じていた「疑問」に、思わず笑ってしまったものだ。

 ▼だが全く笑えない「疑問」もある。日教組の先生が社会科の授業で「北方領土はどこの国の領土か、わからなくなった」という。先日、茨城県で開かれた教育研究全国集会で発表された中学教諭の「悩み」だ。しかも北方領土に近い北海道根室市の先生なのだそうだ。

 ▼国後、択捉など北方四島が日本以外の領土になったことはなく、ロシアに占拠される理由はひとつもない。そのことは歴史を少し勉強すればすぐにわかる。「わからない」というのは、日教組の思想の問題というより基本的常識の欠如と言うしかない。

 ▼そんな「疑問」が堂々と発表されるということに、この教研集会なるもののレベルを感じさせるが、それだけではない。自衛隊の国際貢献を否定的に考えさせようと授業したのに、プラスに評価する生徒が相次いだ。そんな「悩み」を持ち込んだ教師もいた。

 ▼そうかと思うと一昨日、東京高裁で敗訴した国旗・国歌訴訟の原告弁護士は教師の「苦しみ」を訴えた。判決は国旗の前での起立などを求めた都教委の通達を「合憲」と認めた。それは「(通達で)現場の先生が苦しんでいることを理解しない判決」なのだそうだ。

 ▼だが自国、他国を問わず国旗・国歌に最大限の敬意を示すのは世界の常識だ。裁判で争うようなことではない。だからそれで苦しむとすればその方がおかしいのだ。むろん大半の先生は常識に従って教壇に立っているのだろうが。

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