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1千頭以上のアザラシ…漁業関係者に影響
日本最北端に位置する北海道・稚内市に最近、1000頭以上のゴマフアザラシが集まるようになり、観光客に人気となっている。しかし、数が増えすぎてしまったため、漁業関係者に影響が出ている。
稚内市の抜海港には、アザラシの様子を一目見ようと、連日、観光バスが乗り付け、人気の観光スポットになっている。しかし、アザラシが増えすぎてしまい、先月には1274頭が確認された。防波堤の前にできる砂場の居心地が良いのが原因とみられる。
漁業関係者は先月、上陸を制限するための柵を設置した。しかし、アザラシは柵を乗り越えて上陸している。漁業者・森寛泰さんは「一日1000頭のアザラシが食べるのは魚介類。影響を受けて辞めてしまう漁師もいる」と話した。
漁業被害を防ぐために、東京農業大学の研究者がアザラシに発信器をつけて生態や行動範囲を調べているが、稚内から北海道・小樽まで移動したことも確認できたという。同大・小林万理准教授は「物理的に砂浜に上げないのは一つの対策だが、上がれなくても、(ロシア・)サハリンに帰っていかず、この周辺にいるので生態系の変化、漁業被害は続くと思う」と話した。
ミズダコを食い荒らされるなど漁業被害は深刻になるばかりで、人間とアザラシとの共存に向け、試行錯誤が続いている。
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