児童ポルノ、薬…“無法”ネット犯罪に新捜査 警察庁
産経新聞 1月31日(月)13時30分配信
ネット上に増加しているのに、これまで“無法状態”だった児童ポルノや薬物売買などの違法情報に歯止めをかけようと、各都道府県警が連携する新しい捜査方式を警察庁が導入し、捜査現場が大きく変わり始めている。昨年12月には、ネット上にわいせつ画像を掲載した男子短大生を、大阪府警が新方式で初めて逮捕。全国でサイバー担当捜査員の大幅増員も予定されており、悪質事案の摘発強化が本格化する。
「こんなことで、警察が捕まえにくるとは思わなかった」
昨年12月7日、大阪府警に逮捕された同府高石市内の男子短大生(19)は驚いた様子で話したという。他人が管理するネット掲示板にわいせつ画像を投稿した、とするわいせつ物公然陳列容疑だが、投稿した画像はたった1枚。ネット上で見つけた若い男性が下半身を露出している画像で、調べに対し、「遊び半分の悪ふざけで投稿した」と供述したという。
警察庁は同年10月、ネット上の違法情報について、発信エリアごとに分類して各都道府県警に提供し、捜査させる「全国協働捜査方式」の試行運用を始めた。エリアが不明の情報は、接続業者が集中する東京の警視庁が初期捜査でまず特定し、その後、都道府県警が本格捜査する。大阪の短大生の事件は、警視庁との連携で各地の道府県警が立件した初のケースだった。
捜査の対象となるのは、平成18年6月から警察庁が民間委託で運用しているインターネット・ホットラインセンター(IHC)から通報される違法情報。その内容はわいせつ画像をはじめ、銀行口座や薬物の売買情報など多岐にわたる。
IHCからの通報は、19年の1万2818件から、21年には2万7751件まで急増。22年も上半期だけで約1万8千件と前年同期比で75%増加した。しかし検挙件数は22年上半期で226件と、通報のごく一部にとどまっている。
これまで警察庁は、通報を受けた膨大な違法情報を全都道府県警に一律に提供。捜査すべき都道府県警や、優先順位も不明確で、「どこの警察も捜査できるが、どこも手が出ない」(府警幹部)状態となっていた。新方式なら、必要な情報が直接、管轄の警察に入るため、捜査効率が飛躍的にアップ。捜査結果の警察庁への報告も義務づけており、責任の所在を明確化させることで検挙数の大幅増が見込まれる。
協働捜査方式の本格運用が始まる来年度には、新方式に対応するため、各都道府県警のサイバー担当の捜査員も大幅に増員される予定で、警察庁は「『この程度では捕まらない』と思っている犯人に『捕まるかも』と思わせることで、ネット上なら何をしてもよい、との風潮に歯止めをかけたい」としている。
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最終更新:1月31日(月)13時57分
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