広島市中区の本通り商店街で1926年(大正15年)に創業した老舗書店の金正堂が1月末で店を閉じる。大型書店の進出などで競争が激化したため。市中心部からまた一つ、一般向けの書店が姿を消す。
本通り商店街に隣接する金座街商店街では広文館の金座街本店があるが、本通り商店街では一般向けの書店はゼロとなる。
多くの人が行き交う本通り商店街。金正堂の店頭に「長年にわたるご愛顧に心より感謝申し上げます」と閉店の告知が張り出された。
店では1、2階に単行本や文庫、雑誌、参考書など約10万〜15万冊が並ぶ。大型書店が増えたほか、山本秀明社長は「若者が本を読まなくなったのも原因」と活字離れを指摘する。
天満屋八丁堀店に10月、中国地方最大の約120万冊の蔵書数が特徴の大型書店が開業するなど、書店競争は激化している。
金正堂は閉店後、学校などから注文を受けて配達する外商部門は残す。店舗については「都心の一等地を有効活用する方法を考えたい」(山本社長)という。
【写真説明】1月31日で閉店する金正堂(広島市中区)
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