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[スポーツ]ニュース トピック:主張
【主張】アジア杯優勝 海外めざす闘志の成果だ
ドーハで行われていたサッカーのアジア杯で日本代表が優勝した。2大会ぶり、単独最多となる史上4度目のアジアの戴冠(たいかん)を祝福するとともに、この快挙をわれわれの参考にしたい。
決して楽な道のりではなかった。退場者を出した2試合を10人でしのぎ切った。右の松井大輔選手、左の香川真司選手と攻撃の切り札を大会途中、負傷離脱で失った。準決勝の韓国戦はPK戦にもつれ込み、決勝のオーストラリア戦も延長の末の決着だった。
決勝ゴールをアシストした殊勲の長友佑都選手は、遠くドーハのスタンドに駆けつけた日本のファンの前に、香川選手の「10番」のユニホームを掲げて歓喜を分かち合った。
長友選手はイタリアの、松井選手はフランスのプロリーグに所属している。香川選手の負傷は、ドイツ紙で「ショック」の見出しで報じられた。
ゴールを死守したGKの川島永嗣選手はベルギー、大会MVPの本田圭佑選手はロシア、主将の長谷部誠選手もドイツでプレーしているなど、アジア杯代表メンバー中10人が本場欧州の厳しい環境で技術を磨いている。
若い選手が続々と海外を目指すサッカー界にはJリーグの空洞化を心配する声もある。だが、初代チェアマンでもある日本サッカー協会の川淵三郎名誉会長は「まだまだ足りない。もっともっと出ていってほしい。代わりはいくらでもいる」と話している。こうした世界に挑戦の場を求めた姿勢が競技力の向上につながった。
日本だけではない。最後まで苦しめられた韓国には、京都でプロ生活を始め、いまや世界有数のビッグクラブ、マンチェスター・ユナイテッドの中心選手に育った朴智星選手の存在がある。
豪州はアジア杯2度目の挑戦で決勝に進んだ。オセアニアで長く一人天下だった豪州は、真剣勝負の場を求めて2006年、アジア連盟に参加した。欧州で活躍するベテランGKのシュウォーツァー選手は「アジア連盟への加盟で豪州代表のレベルが上がった」と語っている。
内向きで自国だけの利益に汲々(きゅうきゅう)としていては、日本は国際社会で生き抜けない。世界の厳しい舞台に飛び込み、競争を勝ち抜こうとする気概と強さを日本代表から学び取らなくてはなるまい。
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