取り押さえ死 被害者側が集会
裁判の経過を報告
裁判の経過について報告した集会
佐賀市で2007年9月、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が路上で警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、支援団体は30日、市内で集会を開き、刑事裁判の経過などを報告した。
会場の市文化会館には、健太さんの父親孝行さん(49)をはじめ、支援者ら約300人が出席。
特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた県警の巡査長松雪大地被告(30)の公判は、弁護士が検察官役をつとめる付審判で争われている。昨年7月29日の初公判から、11回の公判が開かれ、松雪被告は一貫して暴行を否定し、「適正な保護行為だった」と主張している。2月28日に論告求刑、3月29日に判決が言い渡される予定。
裁判で被害者参加制度の代理人を務める河西龍太郎弁護士らがこれまでの公判の流れについて報告。検察が一度、不起訴にした事件の有罪を立証する付審判の難しさについて語った。
支援団体代表世話人の村上三代さん(68)は公判を通じて、警察官の知的障害者に対する認識の低さを指摘。「被告は健太さんを精神錯乱者だと思ったのではないか。暴行の有無も含め、なぜ死ななければならなかったか真相究明を望む」と話した。
(2011年1月31日 読売新聞)