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あの日その時:取り押さえ審判・証言録 司法解剖した医師/2 /佐賀

 ◇傷は圧迫でも矛盾ない

 知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告(30)が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判の第10回公判(昨年12月21日)。安永さんを司法解剖した医師の証人尋問が続き、被告側弁護士が質問した。

 弁護士 打撲と打撲擦過傷、違いは表皮剥脱の有無か。

 証人 そう区別している。

 弁護士 一定の距離を持って衝突するのではなく、密着して衝突する場合、表面がザラザラしていても表皮が剥脱しないこともありうるか。

 証人 多くはなる。ならないのはまれ。

 弁護士 最初から接触して、そこに力が加わるのは。

 証人 表面がザラザラして、最初から接触する可能性もあるが、あまりないことなので、分からないが、あり得る。

 弁護士 皮下出血の範囲は、破損の範囲で、強さを推測する要素になるか。

 証人 一般的に力と向きを反映する。

 弁護士 部位によって、出血の程度は異なるか。

 証人 あまりない。

 弁護士 血管が密集しているところは出血しやすいと考えるか。

 証人 血管が密集しているのがどこかは分からない。場所によって違う、というのはあまりない。

 弁護士 (右耳付け根部分の打撲について)殴打との可能性は低いのか。

 証人 低い、とは考えにくい。耳介(一般的に耳と言われる対外に出た部分)全体に作用して生じたとも考えられる。

 弁護士 右耳が殴打された可能性の高低は。

 証人 殴打かどうかの判断はできない。

 弁護士 どの程度の外力と考えられるか。

 証人 大きな打撲ではないので、軽度。

 弁護士 手指圧迫でも起こるか。

 証人 矛盾はない。

 弁護士 (首部分の打撲は)どの程度の外力か。

 証人 指し指頭大の軽度な外力。

 弁護士 手指の圧迫とは考えられるか。

 証人 矛盾はない。

 弁護士 (胸付近の打撲は)範囲から、どの程度の外力と考えられるか。

 証人 軽度な打撲と考えられる。

 弁護士 手指の圧迫と考えても矛盾しないか。

 証人 矛盾しない。

 (司法解剖した医師の尋問は終了)=つづく

毎日新聞 2011年1月22日 地方版

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