『マクベス』の荒れ地の魔女のように、"王(小沢)殺し"を菅首相に使嗾し、それを実行せしめた仙谷氏にしてみれば、官房長官の肩書と引き換えに、大きな果実を得たのである。
岡田は仙谷の下である
権力を掌握した民主党の新4人組が、真っ先に着手したのは「小沢一派の完全排除」である。
「ふつう、通常国会の常任委員会・特別委員会のメンバーは、前年の臨時国会での所属が継続されます。ところが現執行部は、今度の通常国会で、これを変えると言い出しました。しかもそれに先立ち、各議員に希望する委員会を申告するよう用紙が配られましたが、そこに予算委員会と政治倫理審査会の項がないんです。つまり、小沢氏の国会招致に絡む委員会は、執行部の一存で決めるということです」(民主党若手代議士)
これまでは、予算委員会や政倫審のメンバーに少なからず小沢派の議員がおり、小沢氏を政倫審に呼んだり、国会に証人喚問するための障害になっていた。
「それを徹底的に排除するということです。外された議員の中には、別に小沢派でもない、中間派の人もいます。そういう議員まで執行部は排除し始めた。反小沢派だけで、政権を牛耳ろうというんですよ」(同)
党名を変更したほうがいいような、非民主的方向に走る執行部の強硬姿勢の背後には、もちろん、「小沢切り」に猪突猛進する菅首相の強い意向がある。
最近、菅首相は周囲に、
「ジンギスカンは、馬を下りて(政治をするようになって)からが大変だった」
などと、自分をモンゴルの英雄「蒼き狼」に見立てているという。さらに、
「これからは権力を握る」
と、事実上の"独裁宣言"までしてみせた。これではやはり、何か妄執に囚われているとしか思えない。
「見かねた首相の側近議員の一人が、『やはり挙党一致と言った以上、小沢派の切り捨てはよくない。もう少し配慮はできないのか』と苦言を呈した際も、『小沢を切れば支持率は上がる。小沢を切れないようでは、俺の立場がもっと悪くなる』と、まったく聴く耳を持たなかったそうです。『ここまで話がこじれたら、もう小沢を切るしかない。挙党一致なんてムリなんだ』と」(民主党中堅代議士)
< 一太刀あびせただけで、蝮はまだ生きている。傷口が癒えて生きかえりでもしてみろ。手を出したこっちは、いつまたその毒牙にかかるかしれたものではない。いっそ秩序の枠もこわれ、天地も滅んでしまうがいい。安んじて三度の食事もとれず、夜ごとの眠りも悪夢にさいなまれるくらいなら >
王を暗殺したマクベスは、その秘密と手に入れた王の座を守るため、同僚まで殺してしまう。一度その手を血で染めた者は、罪悪感と恐怖から自制心を失い、暴走を始めるのだ。シェイクスピアが『マクベス』を書いた400年前から、権力の妄執に憑かれた政治家の行動パターンは、どうやらそれほど変わらない。
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