2011年1月29日3時0分
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、検察審査会の「起訴議決」を受けて検察官役に指定された弁護士が、週明けに政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で小沢氏を東京地裁に起訴する方針を固めたことが分かった。31日を軸に調整するとみられる。
市民の判断によって政治家が起訴されるのは初めてとなる。小沢氏は起訴内容を否認して徹底的に争う方針だ。
小沢氏が起訴されるのは、衆院議員・石川知裕被告(37)ら元秘書3人=同法違反罪で起訴=と共謀し、陸山会が東京都内の土地を2004年に約3億5千万円で購入したのに、05年分の政治資金収支報告書に支出を記載した▽土地購入の原資となった小沢氏からの借入金4億円を04年分の報告書に記載しなかった――などとする内容。
東京地検特捜部は小沢氏を10年2月に不起訴(嫌疑不十分)とした。しかし、04、05年分の容疑を審査した東京第五検察審査会は10年4月に「起訴相当」と議決。特捜部は同5月に再び不起訴としたが、第五審査会は2回目の審査でも「起訴すべきだ」と議決(起訴議決)し、同10月に公表した。
これを受けて選任された3人の指定弁護士は、特捜部が集めた証拠を読み込むなどして強制起訴に向けた準備を進めてきた。石川議員ら3人の元秘書と小沢氏本人に対しては聴取を要請したが、いずれも拒否された。
09年5月に施行された改正検察審査会法に基づく強制起訴は、兵庫県明石市の歩道橋事故、JR宝塚線(福知山線)の脱線事故、未公開株の上場をめぐる沖縄の詐欺事件の例がある。