メディアデスク日誌

_ [へんくま]日本優勝

美しいシュートだった。サッカー日本代表のアジア杯決勝戦で、試合を決めた李忠成選手。左からの早いセンタリングを、そのまま左足で蹴り込んだ。それもアウトサイドで。そのシーンをスローモーションで見ると、体のバランスといい、足を振り下ろすタイミングといい、ほんの少しずれてもかなわなかったであろうスーパーゴールであることがよく分かる。まさに救世主。最後に大きな感動をもらった。

試合結果を速報するために、職場でテレビ観戦していた。決勝点の場面は目を疑った。センタリングが、ゴール前にいる全くフリーの李選手に届く。左足を一閃すると、矢のようなシュートがゴールキーパーの横を抜けていった。試合後のインタビューによると、いったん中に切れ込んで、相手選手がついてくるのを見てから、止まってマークを外したのだとか。瞬時の判断が、それまでわずか１失点しかしていなかったオーストラリアの守備をざるにしてしまった。

ベンチで控えていることが長かったおかげで、ほかの控え選手やスタッフ、応援するサポーターの気持ちが分かったという。みんなの思いをシュートに込めた、とも話していた。在日韓国人４世で、かつては韓国代表候補にも選ばれた選手。日本に帰化するときには、反対する人が多く、韓国からも中傷を浴びせられたという。気持ちの強さとともに、人の気持ちも分かる選手が勝利を呼び込んだ。