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イラン:オランダ女性死刑…反政府デモに参加

 【テヘラン鵜塚健】イラン当局は29日、09年6月の大統領選後の反政府デモに参加したとして拘束していたオランダ人女性(46)への死刑を執行した。当局は、デモ参加で治安を犯した容疑で女性を逮捕したが、その後、薬物所持が発覚して女性に死刑判決が出たとしている。イランでは24日にも09年デモに参加した男性2人への死刑を執行。エジプトやチュニジアで相次ぐ反政府デモが飛び火するのを警戒し、国民への見せしめとして死刑執行を急いでいる可能性もある。

 AP通信によると、女性はイラン生まれで、オランダ国籍を取得。オランダ政府は、拘束後の司法手続きが不透明だとしてイラン政府からの説明と女性への接触を求めたが、拒否されたという。

 死刑執行後、オランダ外務省は駐オランダ・イラン大使を呼んで強く抗議し、当面の関係凍結を伝えた。イランの外交官は許可なくオランダ側関係者と接触できなくなる。

 同省は近く開かれる欧州連合(EU)外相会議でもこの問題を取り上げる予定で、イランへの非難が高まる恐れもある。

 イラン当局は詳細な説明を避けているが、女性の直接の死刑理由を同国で重罪に当たる薬物犯罪とすることで、国際的な非難を少しでもかわしながら、国民向けには反政府デモへの参加が死刑につながることを印象づける狙いがありそうだ。

毎日新聞 2011年1月30日 21時32分

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