コースターから転落死…東京ドームシティー「舞姫」

男性客が転落した「東京ドームシティアトラクションズ」の「スピニングコースター舞姫」

　３０日午後０時４０分ごろ、東京都文京区後楽１丁目の遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」で、「スピニングコースター舞姫」に乗っていた東京都羽村市の会社員・倉野内史明さん（３４）が、走行中に高さ約８メートルから落下。約２時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁捜査１課などは、業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査。国土交通省も、専門家と職員を派遣し、現場の調査を始めた。

　遊園地によると、事故があったのは、座席が不規則に水平回転しながら走行する小型コースター「スピニングコースター舞姫」で、通称は「マッドマウス」。同コースターは、２０００年３月から営業を開始。全長約３０６メートルで最高時速は３９・６キロ。斜度は最大で３０度、最も高い場所で１０・６７メートルある。定員は４人で、背中合わせで２人ずつ乗車する。

　乗車時には、足元にある安全バーを手前に引き、腹部から下を固定する仕組み。遊園地を運営する「東京ドーム」によると、スタート前に従業員が、基本的には安全バーに触れて固定されているか確認するが、マニュアル上は触れてまでの確認は求めていないという。今回の事故当時、現場には従業員が２人おり、安全確認をしたのは勤務歴約２年のアルバイトの女子大学生。警視庁によると、女子大学生は「安全バーが下りているように見えたので大丈夫だと思った」と説明している。このコースターは、体が固定されていない場合でも運転可能という。

　倉野内さんは友人と４人で乗っており、スタートから約３０秒後、１００メートル進んだ地点でＳ字形のカーブを曲がる際に遠心力で飛び出し、高さ約８メートルからコンクリートの地面に落ちた模様。

　東京ドーム側は３０日の会見で「朝の点検では問題はなかった」と説明。これまで乗車中に安全バーが外れた例はなく、固定された状態で体が外に投げ出されることもないとしている。一方、警視庁捜査１課は、倉野内さんは大柄で、安全バーが完全にロックされていない状態で始動された可能性があると見て、捜査している。事故を受け、遊園地は当面、営業を休止する。

　同施設では、昨年１２月にジェットコースター「サンダードルフィン」の部品が落下、小学生の女児に当たり軽傷を負った。同１１月にも開園前、座席が高速で垂直に落下する「タワーハッカー」の点検中に女性従業員が指３本を切断する事故があった。

（2011年1月31日06時01分スポーツ報知）