2011年1月31日6時0分
30日午後、「東京ドームシティアトラクションズ」(東京都文京区)で発生したコースターからの転落事故。にぎわう休日の遊園地で、順番を待つ子どもたちの前で悲劇は起きた。アルバイト任せにしていた施設側の安全バーの確認に問題はなかったのか。
中学1年の男子生徒(13)は、同級生と2人で「スピニングコースター舞姫」の順番待ちの列に並んでいた。先頭に来たとき、「わー」という男性の叫び声に続いて「ドン」という音を聞いた。10メートルぐらい先の地面に、倉野内史明さん(34)がうつぶせでぐったりと倒れているのが見えた。
この生徒によると、コースターには男性2人、女性2人が乗っていて、男女が隣り合わせに座っていたという。戻ってきたコースターに乗っていた女性は、倉野内さんのものとみられるバッグを持ち、別の男性に支えられながら顔を押さえて泣いていた。
「30分前ぐらいにも乗ったばかり。怖い」。生徒はそう話した。
東京都足立区の小学6年の女児(12)も午前中に続いて乗ろうとして、倉野内さんが転落する音を聞いた。「何か物が落ちたのだろうと思った。まさか人とは……」と、言葉を失った。
何が起こったのか分からないまま並んでいた人たちからは、ざわめきが起きた。しばらくすると係員から「点検をするので、列は解散してください」と告げられたという。
周辺にいた人たちの話によると、事故後に係員が慌てて現場に駆け寄り、人だかりができたという。入園客らはみなぼうぜんとした様子で、係員から「早く封鎖しろ」などとの声が飛んだ。倉野内さんは救急隊員から心臓マッサージを受けながら担架で救急車に運ばれた。