2010年12月1日 22時33分 更新:12月2日 1時26分
島根県安来市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる鶏が見つかった問題で農林水産省は1日、養鶏場の鶏から同ウイルスを検出したと発表した。動物衛生研究所(茨城県つくば市)による検査で高病原性のH5型と確定された。また、専門家6人で構成する農水省の疫学調査チームのメンバーは同日、養鶏場の防鳥ネットに穴があり、野鳥が侵入できる状態だったことを確認した。島根県によると、少なくとも穴は2カ所あった。
今回のケースでは、11月29日に養鶏場主が5羽の鶏がかたまって死んでいるのを発見して通報。県の簡易検査で鳥インフルエンザ陽性を確認し、さらに遺伝子検査(PCR検査)でも高病原性の疑いが強いと判断された。
農水省と県は、5羽以外も死んでいる状況などから、専門家の意見を聞いた上で、初めて確定診断を待たずに高病原性鳥インフルエンザ感染が疑われる鶏と判定。養鶏場で飼育されている約2万3000羽すべての殺処分や、半径10キロの鶏などの移動を制限することなどを決めた。
北海道稚内市の大沼で10月に採取されたカモのふんから検出されたウイルスは強毒性のH5N1型で、島根県のウイルスがこの型かどうかは別の検査が必要となる。疫学調査チームは1日、メンバーを島根県に派遣、感染経路などの究明を進めている。農水省は野鳥が感染源の可能性があるとみており、鶏舎で野鳥の侵入防止策が十分かを確認するよう都道府県に通知した。【佐藤浩】