COP16:日本に「化石賞」…会議で最も後ろ向き発言

2010年12月1日 19時45分

 【カンクン(メキシコ)國枝すみれ】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)のNGO会場で30日、環境団体のネットワーク組織(CAN)が最も後ろ向きな発言をした国に授与する「今日の化石賞」の1位に日本が選ばれた。

 前日に経済産業省の有馬純大臣官房審議官(地球環境問題担当)が「日本は京都議定書の延長(第2約束期間の設定)をいかなる場合でも認めない」と発言したことが理由で、CANのイアン・マグレガー氏は「会議の建設的雰囲気をぶち壊す破壊発言。代表団の8割、ほとんどのNGOが否定的に受け取った」と批判した。

 化石賞は99年のボン会議から始まった。期間中、環境団体の投票によって“その日の悪者”が選ばれる。今回は約200団体が投票した。

 中国や米国が参加しない京都議定書は世界の温室効果ガス排出の27%しかカバーしておらず、日本の立場は「単純延長は締結国にとって不公平」というもの。有馬氏は「議定書延長がカンクン会議の最大の成果になるとの発言が途上国からあり、黙っていては日本が延長を受け入れると誤解されるので、明確に言った」と振り返る。同氏の発言に会場は静まり返ったという。

 各国代表団からは「なぜ日本は交渉をブロックするのか」「日本の論理は正しいが、現段階で立場に固執すれば会議を壊すだけだ」の声が上がっていた。

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