【テヘラン鵜塚健】バレンタインデーのお祝いさせません--イランでバレンタインデー(来月14日)を祝うカードやプレゼントなど一切の関連用品の製造が禁止されることになった。イラン印刷業組合が通達を出し、規制に従わない業者は処罰の対象とすると通告した。政府が業界を通じ指導に乗り出したようだ。
イラン労働通信によると、同組合の通達では、ハートをあしらったカードやポスターなど規制品目を細かく列挙している。
イランはイスラム教シーア派を国教としているが、近年はクリスマスやバレンタインデーに贈り物を交換したり、パーティーを開く若者が増加。宗教指導者間でこうしたキリスト教的習慣を疑問視する声が強まっていた。
バレンタインデーの起源については諸説ある。一説では、3世紀のローマのキリスト教聖職者、聖バレンティヌス(バレンタイン)が、兵士の結婚を禁じる皇帝の命に背いて兵士を結婚させ、処刑されたのが2月14日。バレンティヌスをしのぶ日が、愛の告白の日となったとされる。バレンタインデーを巡っては、厳格なイスラム教スンニ派のサウジアラビアでも、関連商品の販売は好ましくないとして取り締まりを強化している。
毎日新聞 2011年1月17日 18時55分