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ダボス会議:「第3の開国」強調 菅首相が特別講演

 【ダボス(スイス東部)青木純】菅直人首相は29日、ダボスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「開国と絆」をテーマに特別講演を行った。各国との経済連携を進める「第3の開国」の必要性を強調した一方、その過程で生じる格差への対処法として、不幸な人を社会全体で包み込む「新しい絆」の創造を訴えた。

 首相の出席は09年の麻生太郎首相以来2年ぶり。約25分の講演は日本語で行った。

 菅首相は日本の現状を「国民が内向きになっている」「この10年、経済連携で足踏み状態にある」と分析し「自由貿易こそ世界と繁栄を共有する最良の手段」と主張。日本と欧州連合(EU)の間で「今年こそEPA(経済連携協定)交渉を立ち上げたい」と呼び掛け、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は「6月をめどに交渉参加の結論を出す」と説明した。

 国内農業への打撃を懸念する声には「日本の食文化の魅力が世界に広がることで農業は成長産業として再生できる」と強調した。

 外交・安全保障分野では日米同盟を基軸にする考えを表明。中国と協力関係を強化する考えも示した。

 講演の後、首相はダボスのホテルで米国の投資家ジョージ・ソロス氏と会談し、同氏が取り組むインドネシアでの環境保全活動について意見を交わした。

毎日新聞 2011年1月30日 東京朝刊

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