エジプトで激しい反政府デモが続くなか、アメリカ軍は、外国で混乱が起きた際に現地のアメリカ人の救出を専門に行う、海兵隊の部隊を乗せた艦船をエジプト近海に待機させ、不測の事態に備えていることが分かりました。
アメリカ軍の当局者によりますと、アメリカ軍は、海軍の強襲揚陸艦「キアサージ」と、輸送揚陸艦「ポンス」の2隻を、エジプト近海の紅海南部に待機させているということです。2隻の揚陸艦には、外国で混乱が起きた際に、現地のアメリカ人の救出作戦を専門に行う海兵隊の部隊1000人近くが乗り込んでいます。エジプトの混乱が激しさを増し、現地の大使館から要請があれば、ヘリコプターを使ってエジプト国内のアメリカ人を避難させる作戦を行うということです。ただ、今のところすぐに作戦を行う状況ではなく、あくまでも不測の事態に備えて万全の体制を整えているとしています。エジプトの情勢がさらに緊迫すれば、中東和平の推進などアメリカの中東戦略にも大きな影響を与えるだけに、アメリカ政府は29日も高官が集まって、今後の対応について協議を続けています。