2011年1月18日19時45分
国に研究への支援を要請するノーベル化学賞受賞者の根岸英一さん(左端)=文部科学省、竹石写す
ノーベル化学賞を受賞した米パデュー大特別教授の根岸英一さんが18日、文部科学省を訪れ、エネルギーや環境問題を解決する次世代型の有機化学反応の開発に向けた研究構想への支援を要請した。
根岸さんは受賞後、炭素を材料に有機物を効率よく合成する人工光合成や、医薬品や材料開発に使える新たな合成反応など、問題解決型の研究開発の重要性を訴えてきた。構想には、国内120の研究室が参加を表明している。
会見で根岸さんは「人工光合成はそう簡単ではないが、一つの大きな目標。少なくとも5年程度で複数の優れた有機合成反応を開発したい。そうした中から、次のノーベル賞が出るだろう」と話した。
文科省研究振興局の倉持隆雄局長は「まだ支援ができるかどうかを判断できるだけの情報がないので、具体的な内容を聞いたうえで、何が可能か考えていきたい」としている。(竹石涼子)