温暖化と異常気象
Voice 2月号より
森田正光です。
月刊誌のボイス2月号に、元気象研究所の増田善信氏が、
異常気象について寄稿されていました。
増田さんとは、かれこれ20年以上前に、朝のテレビ番組で
何度もご一緒させていただき、番組が終わったあと、 朝食の時間に、色々教えていただいた思い出があります。
近年、異常気象(過去30年に1〜2度の現象)の頻度は、
高温や局地的豪雨を中心に増えています。 問題は、これが人為的なものかどうかです。
たとえば今年の寒波は、平成18年豪雪以来の規模に
なっていますが、この寒波と温暖化は関係しているのか? 一見、寒さと温暖化は矛盾しているように思えますが、 増田さんによると、どうもそうでもないようです。
なぜ地球温暖化が寒波をもたらすのか?
増田さんによれば、温暖化によって極地方と赤道域の
温度勾配が小さくなる(この100年で極地方は 7度以上の気温上昇、赤道域は0.2度くらい)。
温度差が小さくなることによって、上空の偏西風が
弱まり蛇行しやすくなる。その結果、ブロッキングが 起こり易くなり、各地に極端な暖波や寒波を もたらすというシナリオです。
この増田さんの考えは、私自身も漠然とそう考えて
いましたので、わが意を得たりと思いました。 気象の世界では、原因が一つということはありません。
今年の日本の寒波も、ラニーニャに加え直接的には
ブロッキングや、それに伴うアリューシャン低気圧の 発達などが関係していることは間違いないでしょう。
マスコミなどでは「この寒波は温暖化のせいだ」と
なんでもかんでも人為説にしてしまって、失笑を かう場面もありますが、ひょっとすると本当に 温暖化によって「寒波」がやってきているのかも しれないと思った次第です。
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気象庁から大雪に関する情報が発表になっています(以下)
31日06時までの24時間に予想される降雪量は、いずれも多い所で、
北陸地方 80センチ、
近畿地方 60センチ、 東海地方、中国地方 50センチ、 北海道地方、東北地方、関東甲信地方 40センチ、 九州北部地方と四国地方の山地 20センチ の見込みです。 |