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【格闘技】

下田昭文が王者獲り宣言 31日にWBA王者・李に挑戦

2011年1月30日 紙面から

予備検診後の会見で王座奪取を誓った挑戦者・下田昭文

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 世界2大タイトルマッチの予備検診が29日、東京都内で行われ、4選手とも異常なしと診断された。WBA世界スーパーバンタム級王者・李冽理(り・れつり、28)に挑戦する同級6位の野性児・下田昭文(26)は「やり残したことはない。オレが世界王者になる」と王座奪取を宣言した。

 この男、とにかく逸話が多い。中学3年の冬、5つの高校受験に失敗した下田は「ストレス発散のため」に帝拳の門をたたく。多くの世界王者を輩出した名門ジムとは知らなかった。「授業をじっと聞いていられないタイプ。不良じゃなかったけど、停学とかちょいちょいあった」というが、ボクシングでは才能を発揮。入門2日後に異例のスパーを許され、先輩ボクサーをボコボコに。2002年にはWBA世界スーパーフライ級王者セレス小林に挑戦するため来日した、当時21戦21KOのアレクサンドロ・ムニョス(ベネズエラ)のスパーリングパートナーに指名された。ムニョスは小林にTKO勝ちして新王者になるのだが、そのムニョスを公開スパーで圧倒したという。

 「問題児がボクシングでほめられ、本気になった」と下田。しかし、当初は練習嫌い。8回戦に昇格するまでロードワークもしない男だった。

 「ボクには2敗と1分けがある。そのたびに先が見えなくなるくらい落ち込む。でも、自分がいやだと思うことを逃げずやっていけばいいんだと気づいた。今、誰よりもスタミナがある」

 父は国家公務員で年の離れた2人の兄も有名大卒。下田は2次募集で高校進学するも2カ月で退学。エリート家族にあってドロップアウトとも言える存在だ。

 「ボクシングがなかったらヤバかった。偶然入ったジムが帝拳じゃなかったら、ここまで来てなかった。全ては神様が敷いてくれたレール」

 1・31は運命の日。才能を与えてくれた“ボクシングの神様”に恩返しをする日でもある。 (竹下陽二)

 

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