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【サッカー】

長友 殊勲のクロス

2011年1月30日 紙面から

◇アジアカップ 決勝

 苦しい苦しい、死闘の延長戦。オーストラリアにとってはまさかこの“苦しい時間帯”に、これほど鮮やかなクロスが上がるとは思わなかっただろう。左サイドライン際でMF遠藤から縦パスを受けたDF長友はDFウィルクシャーをあっさり振り切ると、左足でゴール前へ力強くクロス。延長後半4分、ゴール正面でフリーだったFW李がボールを捉えた時点で、勝負はあった。

 「明日はサムライになりますよ、僕。今、どんどん進化してますからね。これまでは刀が1本なかったり、最初は割り箸みたいな武器しかなかったけど、今はいろんな武器を装備しているからね」。決勝前日(28日)、長友はそういって笑っていた。その長友が、決勝という大舞台で「鋭い刀」を披露してみせた。

 長友の進化はまさに目を見張るものだ。2008年の北京五輪を機に岡田武史前監督時代の日本代表に定着し始めたが、当時のクロスボールは不安定だった。しかし、強靱(きょうじん)な肉体を身につけた今、キックはぶれない。1次リーグから先発フル出場を続けても、体力は衰えることを知らなかった。

 この日は途中からサイドバックの位置から一列上がって左MFに入った。ゴールにより近くなった分、ゴールに迫る機会も増える。クロスも上げられる。死ぬほど走った試合後だったが疲れなどみじんも見せず、同世代のMF香川真司(ドルトムント)のユニホームを高く掲げて笑った。

 「1次リーグから劇的すぎ。(このチームは)運を持っている。強くなるのは大事なこと。苦しんでも勝つことが自信になる。負ける雰囲気はないよね」。前日、そう話していた長友。まさに劇的な勝利でアジアの頂点を極めたが、その日本にはもはや長友の存在が欠かせない。 

 

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