2011-01-28 晴れ 寒い 日本出張四日目
■[システム開発]雑感
昨夜はゲーム業界の人と飲んだ。内製率はうちらより遥かに高いけど、根本的に抱えている問題は同質なのだな、と思った。
プロジェクト成功率が3割なら、残りのプロジェクトが足を引っ張る度合いを抑えればよい、という判断は経営としてはわかりやすいけど、その対処手段が現場の創造性や技術を奪っている、と。審査が厳しくなればなるほど企画は月並になるとか。
開発工程での管理統制が重くなるほど、開発者は萎縮し、怒られないために行動するようになる、とか。結果として失敗プロジェクトの本数は減るかもしれないけど、個々の収益性はむしろ悪化し、成功プロジェクトが収益に占める率はあまり改善されん、と。
三割の成功プロジェクトがあるのは、七割の失敗プロジェクトが在るから、という視点を経営が持てればいいのにね、とそいつは主張していたのだが、その通りかもしれん。失敗を通じて学び、その反省を次に活かすための判断は現場に委譲されるべきだろう。
SI業界はゲームに比べると内製率も失敗率も低いけど、失敗しないための安全回路が数重にはりめぐらされていて、創意工夫や各人が技術を習得する余地がない、という点ではゲーム業界と同様の問題を抱えているわけで。
で、なんとかしようよという声がかかると...その症状を生み出した原因そのものをさらに強化する。つまり失敗しないための安全回路をさらに張り巡らせる、と。
一度こうなると、逆回転させるのは中々簡単ではないのですよねこれが。不可能ではないけど、経営に気づいてもらうには『失敗させない』ための組織や規則と戦って騒ぎを起こさないといかんわけで。
まあ、そういう戦いをしている人と飲みに行って話を聞けたというのが昨夜のありがたい体験でありました。今後の参考にしたい。連投失礼。寝ます。
だが寝てない(笑