来月3日からの旧正月を前に、中国本土の資産家が台湾を訪れ、慈善活動として台湾の低所得者を対象に総額およそ14億円のお年玉を配って回っており、台湾では、中国の繁栄ぶりを示すものと注目を集める一方、現金で台湾との統一を図る動きだなどと反発も起きています。
この資産家は、中国江蘇省の南京市でリサイクル会社を経営する42歳の男性で、慈善活動として、27日から台湾各地で、低所得者を対象に1人当たり1万台湾元(日本円でおよそ2万8000円)を配って回っています。中国本土や台湾では、旧正月に赤い封筒に入れたお年玉を配る習慣があり、中国の貧しい農家出身のこの男性は、去年までは中国本土の各地でお年玉を配ってきましたが、今回、初めて台湾を選んだということです。男性は、来月1日までの滞在中に総額およそ14億円を配る予定で、29日は台北で、およそ500人にお年玉を手渡しましたが、会場の外にも大勢の人が行列を作り、一時、混乱する場面も見られました。男性の活動は、連日、メディアに報道され、成長著しい中国本土の繁栄ぶりを示すものと注目を集める一方、派手に現金を配って回ることが台湾の人たちの尊厳を傷つけるとして、訪問を断る自治体もあるほか、「現金で台湾の統一を図る中国の戦略の一環だ」という反発の声も上がっています。