首相、経済連携推進を表明 ダボス会議、農業再生に意欲【ダボス(スイス東部)共同】菅直人首相は29日(日本時間同)、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で講演し、環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)など、貿易自由化の推進をあらためて表明した。国内農業への影響を懸念する声を踏まえ、農業再生に取り組む方針も重ねて示した。 首相は「日本には『開国の精神』が今また求められている」として、明治期、戦後に続く「第3の開国」を目指すと宣言。TPPについて、6月をめどに交渉参加に関する結論を出すと言明した。年内に日EU間のEPA交渉を開始する意向も強調した。 農業対策に関しては「貿易自由化か農業の存続か、という二者択一の発想には立たない」との立場を説明。経済連携推進と農業再生の両立を目指す方針を打ち出した。 「日米同盟の重要性は一層強まっている」と述べ、アジア太平洋地域の平和と安定のため両国が役割を果たす構えを強調。日中関係の重要性も指摘した上で、経済や地球環境問題など各分野での協力関係を強化する方針を示した。 改革や成長に伴う格差拡大、人々の孤立化などを防ぐため「新しい絆」の創造も提唱した。 【共同通信】
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