福山市御幸町のホロコースト記念館は27日、マロニエの若木を玄関近くに植樹した。ナチス・ドイツの迫害を逃れたアンネ・フランクが、オランダ・アムステルダムの隠れ家で眺めていたマロニエの種から育てた若木だ。
植樹式には同館職員と市内の高校生、小学生、保育園児たち計約140人が参加した。大塚信館長(61)が「木の成長とともに平和な世界をつくりたい」と誓い、代表者が高さ約1・5メートルの若木の根元に土をかけた。
「アンネの日記」には「いまが花盛り(中略)去年よりもずっときれいです」など、マロニエにまつわる記述が3カ所ある。その木は2010年8月に強風で倒れた。
隠れ家を利用した資料館「アンネ・フランク・ハウス」は以前から若木を世界に配っている。活動を知った同館も依頼し、09年3月に届いた。鉢で栽培して風土に慣らし、アウシュビッツ強制収容所の解放記念日に当たるこの日に植樹した。
動画はこちら
【写真説明】マロニエを植樹する大塚館長(中央)と園児(撮影・増田智彦)
|