ダボス会議、米ドルの準備通貨としての役割縮小との見方相次ぐ
[ダボス(スイス) 28日 ロイター] 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席している各国要人から、中国などアジア諸国が経済成長を遂げ、多くの国が準備通貨の多様化を図るにつれ、準備通貨としての米ドルの役割は縮小していくとの見方が相次いで出された。
イスラエル中銀のフィッシャー総裁は「ユーロが準備通貨として力を増していくとの見方を楽観視している」と述べた。
また「イスラエルは、豪ドルなどこれまでに外貨準備として保有したことのなかった通貨を取り入れ、多様化を図っている」とし、今後各国の間で準備通貨の多様化が進むとの見方を示した。
フィッシャー総裁、およびカナダ中銀のカーニー総裁は、長期的にはアジア諸国の通貨が準備通貨として大きな役割を果たすとの見方を示した。
カナダ中銀のカーニー総裁は「今後は一段と多極化された構造になっていくとのフィッシャー総裁の見方を共有する」とし「中国人民元は、今後準備通貨としての役割を果たすとみている」と語った。
トルコのシムシェキ財務相は、米連邦準備理事会(FRB)が実施している量的緩和策が準備通貨の多様化の動きにつながっているとの見方を示し「米国の政策が継続されれば、各国は当然、代替(となる通貨)を探し始める」と述べた。
そのうえで、準備通貨として主な役割を果たす通貨の「重心」は東洋に移っているとの考えを示し「10年後は様相はかなり変化しているに違いない」と予想した。
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