鳥インフルエンザの感染が広がり各地の養鶏業に深刻な打撃を与えている。ウイルスは渡り鳥が持ち込んだ可能性が高く、国内のどこで発生してもおかしくない。早期に発見し対処することで、流行を局地的に封じ込めるしかない。
大局的には、鳥インフルエンザがまん延しているアジアの国々が協力し徹底した対策をとる必要がある。
27日に感染がわかった愛知県の養鶏場は、窓がなく野鳥などがウイルスを持ち込みにくい構造の鶏舎だった。それだけに関係者への衝撃は大きいに違いない。養鶏家からは「これ以上、手の打ちようがない」との声もあがる。
万全を心がけても見落としがないとは言えない。防鳥ネットに穴があることが後からわかった例もある。専門家や第三者が鶏舎を重ねてチェックし、対策を徹底するなど被害をこれ以上広げない工夫が要る。
養鶏と野鳥で担当する役所が違い、縦割り行政の弊害も指摘される。緊密に連携をとってもらいたい。
また豚には注意を要する。鳥と人間のインフルエンザウイルスの両方が感染し体内で新しい型のウイルスが出現する。2009年に流行した新型インフルエンザもそうやって生まれたと考えられる。国内では鶏と豚が違う場所で飼われていて新型は出現しにくいとされるが、豚の感染例がないか、調べる必要もある。
鳥インフルエンザは中国やベトナム、インドネシアで以前から流行を繰り返しているが、専門家は殺処分などの対策が徹底していないと指摘する。アジア全体で病気を抑え込まないことには、渡り鳥を介してウイルスが移動し流行は終わらない。
アジア諸国でも経済成長に伴い養鶏業が大規模化し、ひとたび流行を許せば大きな経済的損失を被るリスクを共有する。中国などではワクチン接種などの対策を講じているというが、感染した鶏をきちんと殺処分しないとウイルスを効果的に抑え込めない。鶏と野鳥の間の感染経路を断ち切ることが大事だ。
世界保健機関なども処分の徹底を働き掛けてきた。日本政府には、各国に対策の大切さを説き、アジア全体の食の安全を守るため力を尽くすよう努めてもらいたい。
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