『ホンマでっか!?TV』は本当に面白いですね。今回は2011年1月19日放送分から、心理植木先生、生物池田先生の話を中心に、脳科学澤口先生の話を参考にしつつ、すすめていきたいと思います。
まず、アンダーマイニング現象とは…
■ アンダーマイニング現象
【引用】アンダーマイニング現象
好んでやる事に対して報酬を与えると、報酬無しではやらなくなる現象。
【出典】フジテレビ『ホンマでっか!?TV(2011年1月19日放送)』話:植木理恵(心理評論家)
「趣味を仕事にしてみたら、楽しめなくなった」
なんとなくよくある話ですが、これもアンダーマイニング現象と関係しているのかもしれません。
もともと好んでやっていた「書く」ということ。でもお金をかせがないといけない。
報酬を求めて書いているうちに…「仕事以外で書く?いややそんなん」。
歌が好きでいつも口ずさんでいた少女が、コンクールに出るようになり歌手デビューした。それから数年後、普段の生活で彼女の鼻歌をきくことはなくなった。
■ アンダーマイニング現象の実験
アンダーマイニング現象について、こんな実験があるそうです。植木先生のお話。
【引用】結構難しめなパズルを子どもたちがやるんですね。
アメリカの実験なんですけども、
・「上手にできたら後で1ドルあげるね」っていう群と、
・そのままほっとく群をつくるんですね。
その後にそのパズルをまだやり続けるか長期観察してみると、「1ドルあげるね」って言った群はもう二度としなくなる。(中略)
せっかく内発的に楽しく自分の興味でやっていたことが、お金のためにやることになるのでクオリティーが下がるんです。
【出典】フジテレビ『ホンマでっか!?TV(2011年1月19日放送)』話:植木理恵(心理評論家)
子どもがせっかく自発的にやっていたことに大人が口を出すのはまずいのかもしれません。
自分で楽しんで絵を描いていたのに、「弥一いいねぇ、天才の画家になれるね」と途中で褒めてしまったりしたら、褒められたいために絵を描くようになってしまう。
ましてや「いい絵が描けたら100円やろう」なんていうと、お駄賃ほしいだけに描くようになっちゃうかもしれない。
「お金のために頑張る」「報酬のためにやる」そういうのも大切だと思うのですが、それは大人になってからなんぼでも学べること。
自分のやりたいことを心からやる。その気持ちを維持する。そんな力は、大人のときより、子どものときの方が育みやすいのではないでしょうか。
愛や尊敬からしていた行為、楽しみからしていた行為が、5000円のためにする行為になる。もったいない。
そしてこのアンダーマイニング現象は脳の方面からも2010年に証明されたようです。
■ アンダーマイニング現象を脳科学で
澤口先生と池田先生のお話です。
やる気を促す報酬系というのが、脳の中に2つあるそうです。それが内的報酬系と外的報酬系。
頭の中に2つの別の領域があって、比較的近いことに関係していると、必ずこの2つの領域がコンペティションを起こすそうです。コンペ、つまり競争ですね。
こっちが強くなると、あっちが弱くなる、あっちが強くなるとこっちが強くなります。
やる気を促す「内的報酬系」と「外的報酬系」もこれが起こってしまうそうなんですね。
つまり、せっかく「内的報酬系優位」でやる気を起こして絵を描いていた子どもが、親からお金をもらう経験によって「外的報酬系優位」でやる気を出すようになる。
自発的なやる気を起こす「内的報酬系」が弱まって、お金やら褒め言葉でやる気を起こす「外的報酬系」が強くなったんです。
褒められないと、報酬がないとやる気が起きない子になってしまう。
もっとも、もともとやる気のない人間は、内的か外的かのどっちかからやる気をつけなければしょうがありません。
だから報酬を与えるというのは取りあえずいい、ということです。
でも報酬を与え続けていると、外的報酬系の方ばっかりが興奮してしまい、自発的な内的報酬系が縮んでいっちゃう。
だから内的なやる気が出なくなってしまうということなんです。
アンダーマイニング現象ですね。
【引用】脳の中にはやる気に関して2つの領域があり競争している。(『内的なやる気』自発的な気持ちと『外的なやる気』お金、褒め言葉)
やる気のない人にお金などを与えてやる気を出させる方法もある。
お金などを与え続けると、自発的なやる気は無くなっていく。
【出典】フジテレビ『ホンマでっか!?TV(2011年1月19日放送)』話:池田晴彦(生物学評論家)
妙に納得してしまいました。
このアンダーマイニング現象は子育てにも参考になるとは思うのですが、もっと幅広く使える気がします。
恋愛、貢献、ブログ、趣味、研究…。
フジテレビの皆さん、ホンマでっか!?TVの皆さん、いつも素敵な番組をありがとうございます。
あなたも、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。