2011年1月28日1時32分
宮崎県都農(つの)町の養鶏場から出荷された鶏が27日、隣接する川南町内の食肉処理場で死んでいるのが見つかり、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出た。県が同日、発表した。農林水産省と県は多数の鶏が死んだことや養鶏場の外で見つかったことを踏まえ、初めて、遺伝子検査をする前に感染力の強い「高病原性」と認定し、この養鶏場の鶏約1万羽を殺処分する。
感染の疑いのある鶏が、養鶏場から外に出たのが確認されたのは今季初めて。ウイルスが拡散された危険もあるため、農水省は運搬ルートを優先して調査する。
農水省によると、27日朝に処理場に出荷された8600羽のうち、処理する2200羽を獣医師が調べたところ、186羽が死んでいた。県の簡易検査で、処理場の鶏と養鶏場に残っていた鶏の両方で陽性反応が出たという。
処理場には27日、別の5養鶏場からも鶏が運び込まれていたが、すでに食肉加工されていたものは廃棄され、未処理だった鶏も殺処分される。農水省は5養鶏場の鶏運搬用トラックにウイルスが付着した恐れが否定できないとして、5養鶏場を立ち入り検査する方針。
高病原性の発生は今季、国内の養鶏場で6例目、宮崎県内で3例目となる。今回の養鶏場は同県2例目の新富町の養鶏場から北に約20キロ離れており、農水省は別の発生とみている。
養鶏場から半径10キロ内で鶏や卵の移動が制限される。168戸の養鶏場で鶏約600万羽が飼育されている。
農水省は28日未明、遺伝子検査で高病原性(H5亜型)と確定したと発表した。(大谷聡)