国内最大の指定暴力団山口組の組長が4月に刑務所から出所するのを前に、警戒を強めている警視庁は、組長の出身組織、弘道会の東京の責任者を務める組長を恐喝未遂の疑いで逮捕しました。警視庁は組長らが弘道会の東京進出の足がかりになっていたとみて調べています。
逮捕されたのは、山口組弘道会の東京の実質的な責任者で、台東区にある暴力団「小松組」の組長、椎名数男容疑者(56)です。警視庁は容疑を裏付けるため小松組の事務所を捜索しています。警視庁の調べによりますと、椎名容疑者は去年11月、埼玉県の会社役員の男性に対し「会社がつぶれてもいいのか」などと脅し、現金500万円を要求したとして恐喝未遂の疑いが持たれています。警視庁によりますと、椎名容疑者は被害者の男性に数千万円を貸しつけて、これまでに利息だけで1000万円以上を受け取り、利息の支払いが遅れたことにつけ込んで現金を要求したということです。山口組の組長は4月に刑務所から出所する予定で、全国の警察は山口組のナンバー2やナンバー3を相次いで逮捕するなど摘発を強化しています。小松組は山口組の組長の出身組織で、名古屋市に本部がある弘道会の東京進出の足がかりになっているとみられ、警視庁は高利貸しをして得た金が弘道会の資金源になっていた疑いがあるとみて調べを進めています。