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2006年12月発刊の"Body Image"誌に掲載された論文、「脚長対胴体長比と審美的基準」より。<Link>
人間の脚の長さや形の違いを調べ、その審美的な魅力について考察するような研究は驚くほど少ない。足というのは、主に性的なコンテキストで眺められるが、より長い脚が好まれる傾向を実験的に確かめた研究も少ない。本研究は、71名の英国大学生を被験者として、脚長対胴体長比leg-to-body ratio(LBR)による審美的魅力基準を調べたものである。参加者たちは5レベルのLBRについて、自分が感じる肉体的な魅力を採点している。
その結果、女性はより高いLBRの持ち主が好まれたが、男性の場合はむしろ低めが好まれた。この結果について、進化心理学および、社会文化的観点からの考察を行った。
要は、脚の長さのバリエーションが、魅力を感じる基準にどの程度関与しているかを、大学生を対象にして調べたということである。上の抜粋からは、女性の場合は脚の長い人が魅力的に見えるものの、男性の場合は、短めの方が魅力を感じる場合が多かったという意外な結果が記されているようだ。
しかし、元論文を読むには金がかかるので、一体どの程度のLBRが男女それぞれの場合最適であるのかが判らないのが気になるところである。そこで検索してみたところ、この論文についての新聞報道を見つけたので、それを援用して内容を類推してみる。
それによると、女性の場合もっとも魅力的と判定されたのは、脚が胴体の1.4倍の長さを持つ場合で、これはちょうどニコール・キッドマンの体型と同じであるそうだ。ところが男性の場合、脚と胴体がほぼ同じ比率である人の評価が高かった。俳優でいうと、これはトム・クルーズと同じポロポーションであるという。
論文主著者のウィレン・スワミ博士(Dr.Viren Swami、読み方判らん)によれば、女性の長い脚は肉体的健康と多産を示し、男性の長い胴体は発達した筋肉をアピールしているというのだが、まったく反対のことだって言えるだろうし、あんまり説得力がある説明とは思えない。
この人の名前はどこかで聞いたことがあり、たしか「男性は空腹の時には太った女性に魅力を感じる」なんて研究を発表していた筈である。進化心理学という領域では有名な人のようだが、どうもこの分野には強引な目的論的口先理論が目立つ事が多く、眉に唾付けて読む必要がありそう。まあ、ネタの仕込みにはなりますが。
私らのように、欧米風体型に恵まれなかった人間の多い世代には、誠にうれしい研究ではあるのだが、その根拠はかなり怪しそうである。それに、背が高くて、脚が長ければカッコイイという幻想は、かのアンガールズの出現をもって、すでに打ち砕かれていますしねぇ。<Via>
投稿者 webmaster : 2007年01月17日 21:11
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動物行動学エッセイストの某女史が好みそうな話ですね(冗談抜きで引用するかも)。分野の先鋭から,社会的影響が少なくないので,と15年以上前に一度,つぶされたのですが,マスコミ関係が重用する研究者モドキは必ず必要みたいで,ゾンビのように復活しておりました。彼女が好きで良くエッセイのネタに使っていたのが,左右対称性の配偶者選択における効果。今では,高等動物ではほとんど否定されておりますが。
実害の方は,彼女の場合は研究実績や研究能力は皆無なので(で,今の道を選んだとのこと),スワミ博士よりはましかもと思っております。
投稿者 complex_cat : 2007年01月21日 12:41
しかし、白人の子供とか腰が無い位の感じで違和感ありありで。
大人と違って凹凸ないので、余計そう見えるんですね。
ここからスタイルが違う訳で、勝ち負けとか優劣とかそれ以前な気がします。
投稿者 問題児 : 2007年01月18日 17:32
「駅STATION」なんて映画もありましたが、同じ「カッコいい」の言葉で括られる健さんと宇崎竜童が同じフレームに収まると、これほどまでにプロポーションに違いがあるのかと愕然としました(笑)。
新旧の「カッコいい」の対比でした。
えっ、私?
シート高が700mmを超えるオートバイはどうも(笑)。
投稿者 小狸工房 : 2007年01月18日 07:13