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2011年1月28日(金) 19:15 |
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林原、メセナ事業から撤退する方針
経営建て直しのため事業再生ADRの手続に入った林原は、採算性の低い社会貢献事業、いわゆるメセナ事業から撤退する方針を金融機関に示したことが明らかになりました。 また金融機関に報告する資料の中で、借入額などについて虚偽の報告を行っていたことが分かりました。
林原は来月2日に、金融機関を対象に1回目の債権者集会を開くことにしています。 それを前に、借り入れのある28の金融機関全てに事業再生計画案を示しました。 この中で林原は今後の事業展開として医薬品や食品など収益性の高いものを残すため、メセナ事業からは撤退する方針を明らかにし、金融機関に対して債権放棄などを求めているということです。 林原は、玉野市に大規模なチンパンジーの研究施設を建設し、生態の研究を行なっています。 またモンゴルのゴビ砂漠で化石の発掘を長期にわたって行ない、2002年に発表したハヤシバラシティ構想の中で恐竜博物館を建設する計画も発表するなど、社会貢献活動を積極的に行なってきました。 一方で林原は、金融機関に開示する資料などで売上高などを水増しして説明していたことが山陽放送の取材で明らかになりました。 林原に資金を貸し出している金融機関は、定期的に借り入れ残高の報告を受けていますが、その際、林原が提示した他の金融機関の融資額が提示先により異なっていたことから不正が発覚したということです。 この不正な会計処理が、今回事業再生ADRを申請するきっかけになったということです。 林原に資金を貸し出している金融機関のうちいくつかの銀行は融資額を公表しています。 メインバンクの中国銀行は449億円、住友信託銀行が280億円、あおぞら銀行が20億円などで、借入金の総額は1300億円に上ると見られています。 林原は27日夜、経営責任を取るとして林原健社長と林原靖専務が退任すると発表しました。 退任の時期は決まっていません。 後任の社長には林原生物化学研究所の福田恵温常務が、専務には林原商事の十川高尚常務が就任します。
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